2023年10月7日土曜日

野菜の害虫注意報

                     
 テレビが伝えたそのニュースに、半分身を乗り出し、半分のけぞった。福島県浜通りで野菜の害虫であるハスモンヨトウが大発生し、イチゴやトマトに被害が出た。それで県が注意報を出したという。

 夏井川渓谷の隠居で、今よりは3倍(6畳の部屋でいえば二つ分くらい)のスペースを耕し、多品種・少量栽培をしていたころ、いろんな害虫を知った。

 キャベツのアオムシ、キュウリのウリハムシ・アブラムシ・アザミウマ、ネギの根切り虫・ハモグリバエ・ネギコガ……。そのなかに、多くの野菜を食害するハスモンヨトウの幼虫がいた。

 ハスモンヨトウは、その意味では家庭菜園でも野菜を食害する常連だ。それが、注意報が出るまで大発生した、というのはなぜだろう。

 注意報発表までの経緯はこうらしい。この夏は雨が少なく、暑い日が続いた。台風や低気圧の影響で成虫が飛来したことが重なって、大発生につながったようだ。注意報が出されたのは3年ぶりだという。

 キュウリの果実にもぐりこんで食害するオオタバコガの幼虫(と思われる虫)が大発生したのも、もしかしたら同じ理由かもしれない。

 今年(2023年)はキュウリの栽培を中止した。スーパーと直売所から買ったものに、友人・知人からのお福分けを足せば、糠漬けは十分間に合う。

その通りになったが、8月後半以降、キュウリを糠床から取り出すと両端の切断面に小さな穴が開き、中から虫が体をのぞかせていることがあった。

キュウリの糠漬けをパックに入れて冷蔵庫にしまっておくたびに、パックには何匹も虫がはい出ていた。たぶん塩分を嫌って果実からはい出し、冷気にさらされてどこか違うところへ移動しようとして身動きがとれなくなったのだろう。

一度に5本は漬ける。それでだいたい1週間分だ。9月いっぱい、そうやって漬けるたびに虫が中から現れた。

10月に入って漬けたキュウリは、これはきれいなものだった=写真。オオタバコガの産卵がピークを過ぎたとしたら、ひとまず安心できるのだが。

西日本では高温・少雨・乾燥の猛暑になった年、オオタバコガが多く発生した。しかも、この虫は温暖化で分布域を北へと広げている、とネットにあったから、ハスモンヨトウと同じような理由でオオタバコガが大発生したのではないだろうか。

ただし、オオタバコガの幼虫といっても、ほんとうはよくわからない。ネットでキュウリの害虫を検索すると、果実まで食害するのはタバコガないしオオタバコガの幼虫とある。それ以外の虫かもしれないと思いながらも、ネット上にはそれ以外の情報がない。

糠漬けにすると、中から幼虫が現れたのは、この夏が初めてだ。しかも毎回、何本も、何匹も――となれば、行政からキュウリに関する情報が出されてもいいと思うのだが、どうなんだろう。

0 件のコメント: