日曜日をはさんだ先の連休は、用事があって隠居へ行けなかった。2週間ぶりの夏井川渓谷である。
快晴、無風。朝日に包まれた隠居の庭にいると、ぬくもりさえ感じられる。「光の春」である。
「光の春」はロシア語からきている。厳冬期、伸びはじめた日あしに最初に春の兆しを感じる2月ごろの季節感をよく表している言葉だという。
2月にはまだ10日もある。が、日曜日(1月19日)の太陽は、この冬では一番、ひなたぼっこをしてもいいかなと思わせるやさしさだった。
あとでいわき地方の最高気温を確かめたら、小名浜で11・4度、山田で12・5度だった(同日午後5時現在)。
最低気温は小名浜で氷点下2・9度、山田で同じく3・6度、阿武隈高地の川内村では氷点下7・7度だった。
「日本海側は広く穏やかに晴れて、日差しのぬくもりを感じられそう」という天気予報だったが、太平洋側のいわき地方も同じような天気になった。
とはいえ、隠居の室温は朝10時で氷点下5度。1月も下旬の日曜日となれば、やはり寒さが際立っている。
よく知られた言葉を使えば、「光の春」に対する「寒さの冬」である。あとしばらくは「寒さの冬」と「光の春」の綱引きが続く。
庭の畑のへりに生ごみを埋めようとしたら、土が凍っていてスコップがはね返された。
生ごみを埋めて土をかけ、その上に金網と重しの石をのせる。するとほどなく、タヌキか何かが金網の脇からほじくり返して、生ごみを食い散らかす。
ところが、凍土が5センチほどあると手に負えないのか、2週間がたつのに食い散らかしは見られなかった。これでは人力でも掘り返せない。
師走にうねを崩して三春ネギを収穫し、土を戻したところがある。そこにスコップを差し込むと、なんとか入っていく。生ごみは2週間分ある。ちょっと深めに穴を掘って埋めた。
そのあとは下の庭へ下りて、地面に目を凝らしながら歩く。師走から日曜日のたびにチェックしているのだが、目当てのものが見つからない。
それが19日には、あった。フキノトウである。人間の親指ほどの頭が枯れ草の間からのぞいていた=写真。
不思議なもので、1個見つかると、ここにも、あそこにもと、頭をもたげかけているフキノトウが目に入った。
年によっては、師走のうちに頭を出す。元日の朝、カミサンが雑煮をつくる。そのためにフキノトウを摘んで、みじんにして雑煮に散らす。
今年(2025年)の元日には、それができなかった。が、新年の初物だ。まずは2個だけ摘んで、みじんにして味噌汁に散らすことにした。
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