埼玉県八潮市の道路交差点の陥没事故が頭から離れない。すぐそばで新たな陥没が発生し、二つがつながって大きな穴になった。事故は発生3日目の1月30日現在、まだ「進行中」だ。
報道によると、地中に埋設されている下水道管が破損したために、上部の土砂が流れ込んで空洞ができた。それが拡大して道路が陥没し、走行中のトラックが転落した。
トラックの荷台部分は間もなく吊り上げられたが、運転席は崩れた土砂と水につかったままだという。
運転席にもワイヤをかけて吊り上げようとしたが、そのワイヤが切れた。土砂と水でかなりの重さになっているのだろう。今はただ運転手が無事に助け出されることを祈るしかない。
この種の陥没事故は日本のどこでも起こり得る。わが家の前の道路にも下水道管が埋設されている。
このいわきで、わが家の前の道路で、八潮のような陥没事故が起きたら……。想像しただけでもゾッとする。
わが家の前の道路に下水道管が埋設されていることを知ったのは、東日本大震災の直前、歩道の側溝と下水道管を直結する工事が行われたときだ。
ちょっとした雨が降ると、歩道がすぐ冠水する。それを抑えるために、側溝と下水道管をつなぐ工事が行われた=写真。
その後、地形分類図をながめて、あらためてわが住む地域が水に弱い理由を知った。わが家は前の道路も含めて夏井川の旧河道の一部だ。
夏井川の流路が定まらない時代には、川岸はアシの茂る湿地帯だったにちがいない。それがやがて水田になり、宅地化され、残っていた田んぼも東日本大震災後、姿を消した。
報道によると、八潮の陥没現場も昔は河川に近い湿地帯だった。地盤工学が専門の学者は、現場周辺は地下水位が高く、砂よりは細かいシルト層の軟弱地盤だという。
下水道管に穴があくメカニズムに触れる報道もあった。それによると、生ごみなどの有機物から硫化水素が発生し、それが空気に触れて硫酸となる。
硫酸が下水道管を溶かし、あいた穴から土砂が流れ込むことで地中に空洞ができた可能性が大きいというのだ。
わが家の場合、直結工事が終わって道路に土が戻され、道路にアスファルトが盛られた。やがてそこにへこみができた。乗用車はともかく、トラックが通るとズン、グラッとなる。東日本大震災では家の基礎にひびが入った。それも影響していたのだろう。
市に連絡すると、道路パトロールカーが来て、“へこみ”にアスファルトを盛り付けた。それで家の揺れは収まった。
ちょっとした段差やずれが、やがては大きな事故を誘発する。八潮の場合も最初は小さな、小さな穴だった。それが、あれほどの大きな事故につながった。建設より維持管理、メンテナンスの時代に入ったということなのだろう。
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