用があってカミサンの実家へ行ったら、帰りに干し柿をもらった。化学繊維のロープに枝ごと10個はさまっていた。
「冷蔵庫に入れておくように」という。台所の棚かどこか、常温の場所に置いておくとすぐカビが生えるらしい。
義弟が皮をむいて軒下につるしたのか、あるいは知り合いからもらったのかは聞き忘れた。
が、いかにもうまそうな色と形をしている。まずはロープから1個をはずして試食する=写真。
表面の色はこげ茶。触ると弾力があってやわらかい。先の方からひとくちかじる。甘くてとろけそうだ。
種は? 米粒大のものが3個と、それより大きいものが1個出てきた。「種なし」ではないが、こんなに種が小さい柿はあまり記憶にない。
なによりもまず、やわらかいのと甘いのに驚いた。完熟した甘柿を干し柿にしたのではないか。最初はそう思ったが、すぐそれはあり得ないことだと知る。
わが家の道路向かいの奥、故義伯父の家に甘柿がある。何年か前、熟しすぎた柿を収穫して皮をむいたら……。中身がたちまち崩れた。
熟した甘柿は中身がトロトロになっている。それをみこしてタッパーを用意する。その上で皮と種を取り除き、崩れた実をタッパーに入れて、スプーンでならしてから冷凍した。
残った熟柿の皮にはたっぷり身が付いている。そのままだと虫が付くので水で洗い流したあと、ヒーターの近くにおいて皮を乾かした。それから陰干しをし、白菜を漬けるときに風味用として甕に入れた。
熟柿はやがて絶妙な氷菓になった。甘柿シャーベット、「かき氷」ならぬ「柿氷」だ。熟柿が余ったら冷凍保存をする、ということをそれで覚えた。
甘柿の実が少しやわらかくなった時点で、四つに切ったのを冷凍したこともある。それだけでも十分甘い。
若いころ、いわき地方の方言や郷土料理に詳しい知人の家を訪ねたとき、冷蔵の干し柿をもらった。知人の家ではそうして保存しておいて、正月に干し柿を食べるのだという。この風習にならって応用してみた。
甘柿の切断面にフォークを差し込み、少し時間をおいて解凍しかかったのを食べると、冷たくて甘かった。
酒を飲む前に柿を食べると、悪酔いや二日酔いの予防になるという。で、このところ毎晩、干し柿を食べている、といいたいところだが……。
断酒中の今は、晩ごはんの前に干し柿を食べることはしない。といって、日中はあまり間食をしないので、つい干し柿があることを忘れてしまう。
おやつを食べる習慣がない。が、このごろはカミサンが、3時のお茶のついでにコーヒーやらなにやらを持ってくる。そのときに冷蔵庫から取り出すとするか。
0 件のコメント:
コメントを投稿