最初の白菜漬けは三和産で――。そう決めているので、師走に入るとすぐ三和町のふれあい市場へ出かけて2玉を買った。翌朝、それぞれ八つに割って干し、夕方には甕に漬け込んだ。
風味用のユズはあらかじめ、沿岸部に住む後輩に頼んで調達した。ミカンの皮や唐辛子=写真、カキやリンゴの皮などは、秋に陰干しをしていたのを使った。
昆布だけは在庫が切れていたのに気づかなかった。さあ漬け込むぞという段になって、あわてて近所のスーパーへ買いに行った。
2回目は師走の17日に漬けた。カミサンの友達から、同じく三和産を2玉もらった。いつもの要領で漬け込んだ。
が、水が上がると同時に白い粒々が現れ、水の表面が膜状になった。早くも産膜酵母が発生した。
原因は何だろう。1回目は何事もなく食べ終えることができた。1回目と違うのは、水が上がるとすぐ重しを軽いものに切り替えたことだ。
それで水の上がりが弱くなり、白菜が空気と接している部分が増えて、好気性の酵母菌が繁殖したのだろう。
塩分濃度が低かったり、気温が高めに推移したりすると発生しやすいという。白菜を取り出すたびに、いったん水で産膜酵母を洗い流してから食べるようにした。
産膜酵母は糠床でも見られる。2022年の初夏の記録(ブログ)が残っている。それを要約する。
――暦の上では真夏はまだ先だが、梅雨入り前後(6月中旬)から、糠床の表面にポツン、ポツンと白く産膜酵母が見られるようになった。
産膜酵母は耐塩・好気性がある。空気に触れている時間が長いと、そして気温が高いと、活発に増殖する。
糠床の塩分がもともと低いところに暑い日が続いた。酵母にとっては好条件が重なった。で、食塩を追加するのと同時に、庭のサンショウの若葉を摘んで混ぜ込んだ。
産膜酵母には直接的な害はない。そのまま混ぜ込むが、味はだんだん古漬けのようなものになっていくというので、木の芽を入れたり、新しい糠を投入したりして、味をととのえないといけない――。
さて、その白菜漬けも減ってきた。3回目の漬け込みを準備しないといけない。厳冬のピークなので、三和産にこだわる必要はなくなった。
平地の直売所から2玉を買って来た。なんと1玉500円である。メディアはキャベツの高騰を取り上げていたが、それに引きずられるようにほかの葉物野菜も値を上げているという。
1月22日朝、軒下に白菜を出して干し、夕方には取り込んで漬けた。今冬3回目である。
水の上がりは、2回目と違って早い。重しはまだそのままにしておく。水が上がり切った段階で、軽いものに切り替える。
義弟がいなくなった分、減り方が遅い。たまたまわが家へ用があって来た同級生に1回目の白菜漬けをあげたら……。
顔を合わせると「あの白菜漬けはうまかった」と強調する。サイソクを無視するわけにもいかないか。
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