2016年10月16日日曜日

クモの巣城

 大気が少し落ち着いたらしい。きのう(10月15日)は朝から青空が広がった。雨でも曇りでも、ましてや晴れでも“宿題”に追われて、朝から晩まで茶の間にカンヅメ――が続いている。合間に行事があって出かける。きょうもいい天気だ。朝8時には「神谷公民館まつり」の準備が待っている。
 木曜日(10月13日)に「健康いわき21推進市民大会」が開かれた。いろいろ資料をもらってきた。「やってみっぺよ、健康づくり」(いわき市健康づくり計画)の概要版をパラパラやったら、快適睡眠のために「朝目覚めたら日光を浴び、体内時計を整えよう」とあった。そうだった。生き物は外気にさらされて生きているのだ。

 草木が光合成をするように、人間も日光を浴びることで体内にビタミンDをつくると、なにかで読んだことがある。北欧の人々が寒くても晴れれば日光浴をするのは、冬に日中でも薄暗い極夜が続いて日光不足になっているからだろう。

 庭に出て、歯を磨きながら朝の光を浴びた。ん? 地上2.5メートルあたりに大きなクモがいる。ジョロウグモだ=写真。庭から道路へと車が出入りする真上に、生け垣のマサキの葉と葉、家の軒の角を結んで大きな網をかけた。庭を見渡すと、いるは、いるは。クモの巣が20近くある。クモの巣城だ。このところ車をあまり動かさない。その間に、車の屋根に糸をくっつけたクモもいる。

 庭木は茂るまま、離れの跡も草だらけ。虫にはいい環境だ。それを捕食するクモたちがそこかしこに網を張る。庭の手入れがなってないのは恥ずかしいが、できるだけ自然に近く――ということでいえば、そこはワンダーランドだ。夏は次々にセミが羽化し、ハグロトンボまで現れる。カナチョロが、トカゲが棲んでいる。モグラも出没する。アシナガバチが軒下に巣をつくる。

 孫が来て、庭に出ると、下の子が決まって「ハチは?」と聞く。「いない」、あるいは「あそこにいる」となって、やっと安心・注意して遊ぶ。夏に来たときには、「蚊に刺されたい」と言いだした。文明から野蛮にタイムスリップしたような物言いだ。で、蚊が目の前に現れると、すばやくパチリとやる。

 アウトドアは楽しいだけではない。危険な生物をいかにして避けるか。そのシミュレーションができる場所でもある。クモの巣だらけの庭を見たら、孫はなんというだろう。喜ぶか、まゆをしかめるか。

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