2017年6月27日火曜日

マメダンゴ狩り

 夏井川渓谷の隠居の庭は、幅が15メートル、長さが40メートルほどある。東西に細長い。隠居をはさんで、ササが生い茂っていた西側を開墾し、家庭菜園にした。東側は、庭木が敷地境界に立ち、日陰になる部分には苔が生えている。駐車場に利用している。そこだけで3、4台は止まれる。 
 原発震災の影響で、庭の平均線量が毎時0.23マイクロシーベルトを0.01上回った。で、3年半前の師走に庭が全面除染された。

 除染前、苔の庭では梅雨に入るとツチグリの幼菌(方言名マメダンゴ=食用)が採れた。除染に伴って菌糸も消えたと思ったが、ちゃんと残っていたようだ。梅雨になるとまたマメダンゴが採れるようになった。

 マメダンゴは、すべてが食べられるわけではない。内部に胞子が形成されていると、食用にはならない。その識別は簡単だ。マメダンゴを二つに割る。食べられるものは内部が“白あん”状態、食べられないのは胞子で“黒あん”のようになっている。

 おととい(6月25日)は、朝から隠居で土いじりをした。キュウリを整枝しているうちに、主枝を切る失敗もあったが、こちらは大成功だった。靴で、あるいは手のひらで地中の感触を探るまでもなかった。砂浜のように白い地面からマッチ棒~鉛筆大ほどの茶色い頭が出ている。人さし指でグイッとやると、最大2センチほどのマメダンゴが転がり出た。たちまち20個ほど採れた=写真。

 カミサンを呼んで、マメダンゴがどういうふうに現れるかを教える。と、ためらわずに指を熊手にして周囲をほじくり返す。それが正解だった。小さなマメダンゴが地中から現れた。地中のマメダンゴを指で探し当てたのは初めてだ。よく洗って二つに割ると、すべて“白あん”。これも初めてだった。

 炊き込みご飯にする。外側はコリコリ、中はグニュッの食感は、「阿武隈の珍味」と呼ぶのにふさわしい。今度も「書くだけで届いたことがない」とだれかにいわれそうだが……。大量に採れるものではないし、1週間後には胞子も形成されているだろうから、採取は、今年はもう終わり。

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