2017年8月24日木曜日

旅するタカサゴユリ

 いわきでは、月遅れ盆が終わるころから目立つようになる。場所によっては密集して咲く。台湾原産の帰化植物・タカサゴユリ、あるいはタカサゴユリとテッポウユリのハイブリッド(交雑種)、シンテッポウユリだ。
 山を削って道路ができる。と、8月中旬以降、切り通しに白い花が咲き出す。その数がハンパではない。わが生活圏では平・草野の農免道路、常磐道、国道6号常磐バイパス。最近では近所の道端、側溝、住宅の庭や生け垣でも見られるようになった。

 ある意味では侵略的な植物だ。見つけたら抜き取り・刈り取りをするのが基本だが、つい白花の清楚さに惑わされて見守ってしまう。すると、花が咲いたあとにものすごい数の種が風に飛ばされ、あちこちで根づき、花が咲いてまたものすごい数の種を散らす。そうして日本列島を北上しつつあるのだろう。福島を通り越して宮城県まで分布の範囲を広げている。

 タカサゴユリの白花に気づいたのはおよそ30年前。10年ほどたってから、旧知の植物研究者に確かめたら、いわき市の帰化植物について記した文章のコピーが届いた。やはり、30年前から急激に増え始めたという。

「タカサゴユリは8月の下旬頃から9月にかけて開花する。翼を持つ種が風にのって多数飛散し増え続け、飛んできた種子が根をおろして球根を形成し何年もその場所で咲き続ける。広範囲に一斉に開花し見事な景観を呈する」

 今は「何年もその場所で咲き続ける」意味が少しわかってきた。「何年かはそこで咲き続けるが、やがては姿を消す」ということでもある。平・草野の農免道路の切り通しでは、今はほんの少ししか見られない。“連作障害”が起きて、球根が枯死するらしい。そのころには木々や在来の草も茂るから、新しい種が飛んできても根づく環境ではなくなっているのだろう。「旅するユリ」といわれているそうだ。

 わが家でも、去年(2016年)、生け垣のたもとにタカサゴユリが芽生え、花を咲かせた。今年も同じところから芽を出した。間もなく開花する。ほかのタカサゴユリは地べたから30センチくらいのところで咲いているのもあるが、わが家のタカサゴユリは背が高い。九つあるてっぺんの蕾=写真=まで2メートル30センチはある。花が咲いたらすぐ切って部屋に飾り、しおれたらごみ袋に入れて始末する。

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