2020年1月13日月曜日

成人式

 1月第2週の月曜日は「成人の日」。今年(2020年)はきょう、13日だ。暦の上では、土曜日からの3連休になる。「ハレ」と「ケ」でいえば、毎日が「食べて飲んで寝る」(ちょっと付け加えて「読んで書く」)だけの人間には、3連休もいつもの「ケの日」でしかない。
 いわき市では成人の日の前日、日曜日に旧市町村単位で成人式が行われる。連休初日の土曜日、カミサンと親しくしている近所の奥さんが息子クンとやって来た。大学2年生。身長およそ190センチ。背広とネクタイでビシッと決めている。前の日、テレビで見た樹木希林の孫を思い出す。「これから写真館へ行く」という。ハレの日の料理のお福分けにあずかった。

 きのうは午後、やはり大学2年生の“孫”から電話がかかってきた。「家に行きたいんだけど、今、どこにいるの?」。東京にいるはずだが、なぜ? そうか、成人式だ! 薄磯の喫茶店にいたので、「30分後には家に戻る」と伝える。

家に着くとほどなく、母親と一緒に振袖姿の“孫”が現れた。成人式に参加した。着替える前に、晴れ姿を見せに来た、というわけだ。家の中で、庭で記念の撮影をする=写真。

 いわきの高校を卒業して、東京の大学へ入学したのが2年前。そのとき、“孫”の成長記録のようなものをブログに書いた。

【2008年3月】“孫”は小3と小1。わが家へやって来て、ネコどもを抱いて「いじくりこんにゃく」にする。長女は作詞をする。それに母親が曲をつけた。最初は照れていたが、「タカじい」のために歌ってくれた。次女は絵をかくのが好き。「タカじいの顔をかいてよ」と催促すると、「かけない。だって、おでこツルツルだもの」

【2008年9月】夏井川渓谷の隠居で晩酌を始めると、電話が鳴った。「たかジイ、だれだか分かる?」。上の“孫”だった。あとで下の“孫”が出る。「もう酒を飲み過ぎてんでしょ。飲み過ぎると頭がばかになるよ。戸を開けていると蚊が入って来るよ」

【2010年7月】若い仲間一家4人、長男一家4人がやって来た。夫婦2人だけの夕餉が、その晩は一挙に10人になった。小5、小3の“孫”が、3歳、1歳の孫の面倒をみる。

【2012年6月】中1と小5の“孫”が「父(ジジ)の日」イラスト応援メッセージを持って来る。「いっしょにハゲ毛(もう)!」は妹、「いっしょにはげもう」は姉。(妹はハゲにこだわっている)

【2014年8月】中3の“孫”が家に来るなり、「いわき生徒会長サミット」の一員として訪れた広島・長崎でのことを話し始める。止まらない。マシンガントークだ。それだけ深く心にしみる体験だったのだろう。中1の“孫”は読書感想文に行き詰まっていた。いろいろ話したら、即興で4コマ漫画をかいてくれた。

【2016年6月】5月の終わりに高2の“孫”が「クラブソニックいわき」でギターの弾き語りをする。初ステージだというので、夫婦で出かける。

【2016年11月】上の“孫”が授業で福島大生の「いるだけ支援」を知り、「大学生になって、もし機会があればやってみたい」とフェイスブックでコメントしていた。「『来るだけ支援』もあるぞ」と書いたら、「なんだって!? 私がいつも吉田家に長年にわたり実施してきた支援(?)のことかしら……?」。そうだ。

これに新しい記録を付け加える――。

【2019年10月】台風19号の影響で“孫”の家の1階が浸水した。一方で、高3の下の“孫”は美大への入学が内定した、という知らせに接する。

【2020年1月】上の“孫”が成人式をすませ、振袖姿でやって来る。これも“ジイ・バア”にとっては「来るだけ支援」だ。困難な時代だからこそ幸多かれ、と祈るような気持ちになる。

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