日曜日の夜には刺し身と決めている。マイ皿を持って買いに行く魚屋がある。年が明けて最初の日曜日は休みだった。2日に店の前を通ったら開いていた。正月休みをあとにずらしたのだろう。そのことは経験的にもわかっていた。が、いちおう出かけて、シャッターが下りているのを確かめてから、近くのスーパーへ寄って刺し身の盛り合わせを買った。
その意味ではおととい(1月12日)の日曜日が、店主とやりとりをして刺し身を食べた今年(2020年)最初の日になる。
イワシは鮮度がいのちだ。「銚子で捕れたサバに混じっていました」。イワシとサバの関係はわからない。サバがイワシを捕食するのか、サバとイワシが一緒にプランクトンを食べていたところを捕らえられたのか。なにはともあれ、おまけの魚だったらしい。
店主の動きを追う。イワシを3匹、ガラスケースの奥から取り出す。頭を切り、腹を裂いて内臓を除去する。水で洗ったあと、指で骨をはがし、2枚に分ける。次に、同じように指で皮をはがし、6枚を重ねるように並べて包丁を入れ、包丁の腹を使ってマイ皿にきれいに盛り付ける=写真。
イワシの刺し身は何年ぶりだろう。自分のブログで確かめたら、4年ぶりかもしれない。甘い。イワシは漢字で「鰯」と書く。「弱い魚」とあるように、小さくてすぐ鮮度が落ちる。生臭くなる。しかし、それがまったくない。抜群に新鮮だった。
甘みもカツオとは違う。それでいてさっぱりしている。果物とかケーキ、あるいは糖度といった言葉が思い浮かぶ。
刺し身にするまでの流れは、カツオもイワシも同じだろう。しかし、同じくらいの量を確保するとなると、手間が違う。マイ皿ではカツオなら一筋、イワシは3匹。単価も安い。刺し身のメーンは、営業的にはマグロ・ヒラメ・タコ、ということになる。イワシはいわば、裏メニュー。冬はこうして、カツオと違った刺し身のあれこれを楽しむことができる。
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