2010年12月18日土曜日

湯本川


先日、いわき市常磐湯本地区をフィールドにいわき地域学會の巡検が行われた。午前中は石炭・化石館を見学し、午後は湯本温泉街の「三函座(みはこざ)」や「童謡館」を巡った。石炭・化石館から温泉街へは歩いて移動した。間に国道6号がある。

湯本川は国道をくぐって左側に沿い、やがてまた国道をくぐってJR常磐線に並行して流れる。巡検のときの、湯本川でのできごとだ。

石炭・化石館から横断歩道を渡ろうとしたら、ハト大の鳥が目に入った。チョウゲンボウだった。湯本川から隣接する調節池の方へと旋回して消えた。<こんなところにチョウゲンボウがいる>。野鳥に詳しい仲間も驚いた。

湯本川は、床上浸水対策特別緊急事業として河川改修事業が行われ、去年(平成21年)3月、竣工した。ふだんはからっぽの大きな「水の容器」(調節池)ができた。チョウゲンボウが姿を見せたということは、そこで自然の形成が進み、えさになる小動物が生息し始めたことを意味する。

横断歩道を渡ったあと、石炭・化石館の先、八仙の立体橋の手前で直下の湯本川をのぞいたら、大きなコイが4匹、悠々と泳いでいた。ウグイだろう、コイにまじって小魚の大群もいる=写真。水量は少ないが、流れは透明だ。<カワセミがいてもいいな>。そう思った瞬間、だれかが叫んだ。「カワセミだ!」

湯本川は両岸がコンクリート護岸で、雨水をすばやく流すつくりになっている。土砂の堆積した川底は、流れそのものが細い。それでもコイがすみ、ウグイがすんでいる。小魚を目当てにカワセミがやって来る。

チョウゲンボウにカワセミ。この二つが、調節池付近における湯本川の「自然度」をはかる物差しになる、といってもいいだろう。

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