カメムシとテントウムシは、ふだんは人がいないのをいいことに夏井川渓谷の無量庵で大量に越冬する。1週間に一度しか雨戸を開けないために、真冬になると、雨戸と溝のすきまにテントウムシがびっしりひそむ。が、今はまだ室内に散在しているだけ。どこにいるかはむろん、分からない。
ふとんを干す。物置のゴザを表に出す。寒ければ石油ストーブに火をつける――と、カメムシがぼろぼろ現れる=
写真。いつの間にか、室内にある座布団や押し入れのなかのふとんにしのびこみ、あるいは物置のゴザのすきまに群れて眠っているのだ。
「虫の王国」に人間が入り込んだのだから、それはしかたがない。と、思いつつも、なんだこの数は! 多すぎる。<こらっ>なんて軽くやってしまうと、大変だ。たちまちカメムシは「ヘクサムシ」に変身する。しばらく手に悪臭が残る。
カメムシを見たら、できるだけほうきで外に出す。というのは、上品な方だ。そんな余裕はない。手ではじく。足でさらう。悪臭の噴射を避けるにはそれしか手がない。
師走最初の週末は快晴だった。カメムシも汗ばむ陽気に元気が出たのだろう。無量庵に入り込んでいた1匹が荷物にまぎれこんでいたかして車にしのびこみ、平地のわが家について来た。日曜日(12月5日)夕方、あがりかまちの小さなマットにしがみついている。招かざる客だ。すぐ出てってもらった。
0 件のコメント:
コメントを投稿