2010年12月13日月曜日

湯本巡検


いわき地域学會の巡検がおととい(12月11日)、常磐地区で行われた。参加したのは十数人。石炭・化石館に集合し、見学したあと、国道6号、湯本川、JR常磐線をはさんだ反対側、温泉街に徒歩で移動した。古滝屋で昼食をとったあとは「三函(みはこ)座」をのぞき、温泉神社を訪ね、野口雨情記念湯本温泉童謡館を見学した。

地域学會の巡検の面白さは、どこへ行っても即座に会員(参加者)が適切な説明をしてくれることだ。巡検担当者は化石や岩石に通じている。石炭・化石館では、彼が事細かに展示物を解説した。途中、石炭採掘の模擬坑道では別の参加者(会員)から詳しい説明を受けた。

クジラにも耳石がある。壁面に展示された400万年前の「イワキクジラ」の化石の前で、彼が「これ」と指さした。耳石はテニスボウルほどの大きさだ。そのそばの天井に現代のニタリクジラの骨格が展示されている。今も骨から脂が滴るのだという。見ると、骨の一部が茶黒く濡れている。指摘されなければわからない事実だ。

前にも書いたが、石炭・化石館の売りは実物の翼竜化石があること。この化石を見るために、海外から研究者がやって来る。「ザ!鉄腕!DASH」でTOKIOのメンバーが掘り出し、寄贈した首長竜の化石も展示されている。

本館からフラガール資料館のあるウッドピアいわきの前庭が見える。「岩石庭園」=写真=だ。石の配置になにか決まりがあるのか、ただ置いただけなのか――女性たちとそんな会話をしたあと、庭へ出た。ちゃんと理由があった。いわきの地図をイメージしたつくりになっていて、石の置かれたところがその石の産地になっているのだという。なるほど。

いわきの大地のなりたち、現在のすがたを、石炭と化石から再認識した。

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