2010年12月29日水曜日
「鳥小屋」づくり
「いわきの人間になってよかったこと」と聞かれたら、「二つある」と答える。月遅れ盆の「じゃんがら念仏踊り」と、正月の「鳥小屋」だ。同じ福島県でも、中通りと会津、浜通りとでは、盆と正月のかたちが違う。中通りで生まれ育った人間には、「じゃんがら」も「鳥小屋」も驚きだった。
「じゃんがら」は人のなかに眠っているダンスとリズムの本能を覚醒する。「鳥小屋」は人のなかにひそんでいる火つけの欲望を解き放つ――。
先日(12月26日の日曜日)、平・下平窪で「鳥小屋」をつくっているところに出くわした=写真。私の住む平・中神谷でも田んぼに「鳥小屋」ができた。新聞・テレビで報じられたので分かった。こちらは随分早くつくったものだ。
下平窪の「鳥小屋」は、支柱に孟宗竹、囲いに枯れヨシを使っている。平らな屋根は何でつくるのか。何年か前、あるところで見たのはブルーシートだった。冬の嵐が通り過ぎたあと、あわててシートで覆ったのだった。雨除けにはいい。が、火を放つ前に取りはずしたことだろう。
中神谷の「鳥小屋」がある行政区(中神谷西区)から、同じ中神谷に住むほかの行政区(私の住むところは南区)に、1月4日の鳥小屋行事への招待状が届いた。区の役員をしているので、そのコピーを区長さんからいただいた。それによると、鳥小屋では次のようなことが行われる。
火入れ式は12月26日(テレビで放映された)。12月31日・自由参観。年が明けた1月4日が招待日。午後3時からの自由参観時間帯に出かけることになる。この日は午前10時から、「鳥小屋」で民話を聴く会、近くの公民館で餅つきが行われる。5日、6日は自由参観。最終日、7日は午前6時半に「お焚き上げ」。つまり、「鳥小屋」に火が放たれる。
今年は「お焚き上げ」に一歩遅れた。遠くから立ちのぼる煙を見て帰った。今回はいいチャンスだ。じっくり「鳥小屋」の内外を見ようと思っている。
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