2010年12月2日木曜日
週末農家
きのう(12月1日)のNHK「クローズアップ現代」(“週末農業”200万人 変えるか日本の農)を見て、溜飲が下がった。
11月下旬に夏井川渓谷の無量庵で「ミニ同級会」を開いた。飲むほどに、酔うほどに話が展開して、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のことも話題になった。
私は週末だけの家庭菜園、つまり「趣味としての農の営み」しかしていない=写真(ある年の夏の収穫物。キノコは除く)。が、その裾野の広がりはだいぶ前から実感している。統計に載らない、こうした「趣味としての農の営み」が「業としての農の営み」をカバーできるはず――私はこの20年近く、そう思って文章にもしてきた。
「TPPには反対、日本の農業がつぶれる」。私が言うと、すかさず同級生から反論された。反論の中身は覚えていない。飲みすぎて、翌日きれいに忘れたので。要は、私の論理は通用しない、ということだったのだろう。
菅首相がTPPを言い出したときには、「それ、何? あんたがそんなことを言うの」と違和感を抱いた。市民運動の「出自」を忘れてしまったのか、と。
わが同級生が反論したのは、たぶん菅首相同様、グローバルな思考が身について「しまった」からだと思う。大手企業、つまりあらかた輸出産業のなかで生きてきた。それが、思考の根っこの一つにあるに違いない。日本の経済の本質を考えよ――。だが、食糧自給率も考えよ。これは経済を超えた問題だろう。
産業としての農の営みではなく、生き方としての農の営みを少しでも経験していれば、また違った反応があるはず。
業にはならない営みが推計200万人のレベルになれば、業を支え、さらには新たな業を生む、ということも知った。「ミニ同級会」以後、ぐずぐずしていた思いが「クローズアップ現代」を見て晴れたどころか、間違いないという確信を持ったのだった。
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