2010年12月8日水曜日

シロシメジ


「ヒラタケがいっぱいあるよ」。日曜日(12月5日)朝、無量庵(夏井川渓谷)の庭をめぐったカミサンがいう。半信半疑ながら、カメラを手に押っ取り刀で“現場”へ向かう。

庭木はすべてチェックしておいた。ヒラタケは出ていなかった。見落とした木があるのだろうか。「ここ」と教えられたところは、わが菜園のそばの地面だ。確かに、キノコがいっぱい生えている。が、ヒラタケではない。ヒラタケ同様食べられるが、地上性のシロシメジ=写真=だ。食菌でなかったら……(怒っていたかもしれない)。

灯台下暗し。無量庵の庭に発生するキノコはそう多くはない。が、この15年余の記録をみると、結構な種類になる。食菌だけでいえば、ヒラタケ、アミガサタケ、ツチグリ(幼菌)、エノキタケ、アカモミタケ、オオチャワンタケ、ヒトヨタケ。ハルシメジかな、と思っても手が出なかったものもある。

シロシメジは地面を破り、落ち葉をかぶりながら、枯れ草にまみれて菌列をつくっていた。と、自信をもって言っているように聞こえるが、師走にシロシメジを見るのは初めてだ。シロシメジを採ったことはない。もらって食べたことが一度、現場で教えられたことが二、三度あるだけ。

採って、ごみを取り、ゆでて水にさらし、少し炒めて食べた。その前に、根元がじくっと膨らんでいること、ひだが密で湾生していることを確かめた。ゆでて水にさらしたので苦みはそう気にならない。歯ごたえがある。それが持ち味らしい。思わぬ初冬の贈り物だった。

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