2012年7月2日月曜日

夏井川の線量


「アクアマリンふくしまの放射線問題に対する取り組み」という資料が、若い友人から届いた。興味深いデータが載っている。夏井川=写真=と鮫川の水中放射線量に絞って書く。

6月上旬にアクアマリンで「海辺の環境教育フォーラム 2012 in ふくしま――心に海をとりもどそう」が開かれた。届いた資料は、そのときにアクアマリンの獣医師富原聖一さんが話した記録だ。

富原さんは今、いわき民報「くらし随筆」の木曜日分を担当している。6月7日付のわがブログで富原さんの話が面白い、ということを書いた。JCASTニュースが翌日、「犯人はラドンだった! 井戸水の検査で100ベクレル超」という見出しで、私のブログを転載した。

JCASTニュースに「被災地からの寄稿」というコーナーがある。市役所の若い知人を介して話があり、JCAST側の判断で私のブログをピックアップしている。6月8日付のそれが、富原さんの目に止まった。で、今度は小名浜の若い友人を介して富原さんと間接的につながった。

富原さんの報告内容に戻る。アクアマリンは3・11後、「アクアマリン環境研究所」を立ち上げた。福島県に生息する動植物、水のモノ・陸のモノを片っ端から調べるために。いわき明星大学や金沢大学、東京海洋大学などが協力している。

福島県内の河川の放射性物質調査は金沢大学と共同で行っている。その方法は、橋の上などから河川の流芯で表層水20リットルを採水し、宅急便で金沢大へ送り、粒子になっている放射性セシウムと溶存している同セシウムを分けて測定する。その結果――。

原発近くの新田川(水源・飯舘村/河口・南相馬市)などは高い値を示しているが、鮫川や夏井川などは通常の検査では測れないぐらい低い値が出ている(1リットル当たり0.019~0,092ベクレル)。増水時は? 2011年9月の台風15号が通過したあとのサンプリングでは通常の8倍(0.80ベクレル)になった。

「くらし随筆」の5回目<鮫川>(6月7日付)。「先日、いわき市南部を流れる鮫川の河口の底土調査を行ったのですが、意外にも周囲の土壌に比べて、かなり低い値が出ました」「「実際に調査していなかったら、誤った情報を発信していたかもしれません。思い込みって、つくづく怖いものだと思い知らされました」

毎日、夏井川を眺めながら散歩している。その近くで暮らしている。過剰な悲観でも楽観でもなく、適度な客観を保つためにもアクアマリン発の情報は貴重だ。

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