東洋大の国際地域学科に学ぶ3年生6人がゼミの先生とともに6月初旬、いわき市を訪れた=写真。いわきは東日本大震災の被災地であると同時に、原発事故収束作業のためのトリデになった。「原発震災」の現状を海外に発信するための現地調査だった。彼らから礼状が届いた。
「シャプラニール=市民による海外協力の会」を介して、昨年、ゼミの先生と知り合った。で、現地ガイド、聴き取り調査の相手の選定などを頼まれた。こちらでスケジュール案をたて、調整した。
「想定外」のこともあった。久之浜の大久川河口付近にタクシー(ワゴンタイプ)を止めたら、浪江町の町議夫妻がいた。個人的に被災地を見て回っているらしい。避難先の二本松市から車でやって来た。学生にとってはまたとないインタビュー相手だ。調査に厚みが増した。
デジカメのほかに、デジビデオで撮る。学生が英語でレポートするシーンも撮る。後日、インターネットの動画共有サービスを利用して発信するための“現地取材”だ。若者の「発信力」の高さを目の当たりにした。
礼状には、「初稿」段階の英文レポートが同封されていた。辞書を引きながらなら、いわきのことだ、なんとか読める。数字の間違いも指摘できる。
それで思い出した。別の大学の学生からも前に礼状が届いていた。昨年暮れ、東京で「リッスンいわき」というイベントが行われた。呼ばれて話をした。早稲田大の大学院生が話を聴きに来ていた。その縁でゴールデンウイークを含めて二度、院生が指導教授やほかの学生とともにいわきへ調査にやって来た。
院生は2月にいわきで開かれた「フィールいわき」を含めると3度目の来市だ。「地域社会と危機管理」というテーマでフィールドワークを進めているらしい。6月には社会学4学会合同でいわき市、広野町を訪問した。8月には「フィールいわき」の第2弾にも参加する。そのほかにも「いわき出張」を予定しているという。
学生にいわきの今を話す。話を聴いた学生が海外へ、国内へ、次の世代へそれを伝える。自分の役割が少しずつ見えてきたかな、という思いになっている。
0 件のコメント:
コメントを投稿