ネコは飼うなら1匹――。そう思い定めている。が、カミサンと息子たちどころか、最近は保育所へ行っている孫たちもネコかわいがりを覚えたようだ。
ネコは野性を秘めている。人間の想像力を越えた行動をとる。庭に積んだ箱の中で寝る=写真。車の窓が開いていれば、そこから入って後部座席で涼む。車を運転する段になって、突然、後ろから「ニャー」とやられたときには、びっくりする。
疑似孫の父親から電話が入った。子ネコを拾ったという。見るに見かねて助けた気持ちはわかる。が、わが家には1匹減って2匹がいる。えさをやっている野良を加えると3匹だ。これ以上増やすわけにはいかない。カミサンが私の顔色をうかがいながら、別の里親を探すように言った。
日曜日(7月8日)の午後、いわき駅に近いダイユー8へ行った。偶然、長男一家と出会った。駐車場は満パイ。うろうろしたあと、長男の車に近づく。車を出したらそこへ入れる――。と、長男がボンネットを開けた。バッテリーでも上がったか。
ちょうど目の前の車が発進した。車を入れて長男一家に合流する。ヨメサンが子ネコを抱いていた。エンジンルームでミャーミャー鳴いていたのだという。なんで?
子ネコが3匹、捨てられていた。長男がそれを拾った。2匹はだれかにひきとってもらった。残りの1匹だった。家族で出かける段になって後を追い、エンジンルームの下から飛びこんだ。人間は知る由もない。
たまたま近くに車を止めていた人が、ペットのエサ皿を出して水をついでくれた。都合6人が子ネコをのぞき込みながら、ああだ、こうだと話している。さいわい脱水症状にはなっていなかった。
水を分けてくれたのは、いわき市の仮設住宅に入居している楢葉町の人だった。ペット好きなのはすぐ分かった。車に犬がいる。ペットの飼える仮設があって、そこに入ったのだという。
双葉郡などから避難している人はおよそ2万3千人。日常的にいわき市民と接触している。とすれば、仮設住宅だろうが、借り上げ住宅だろうが、いわき市民とは助け、助けられる関係の「隣人」だ。一緒になって子ネコを気遣ってくれた人から、そのことを教えられた。
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