3月21、22日、そしてきのう27日と、快晴・無風の春めいた日になった。けさも晴れていい天気だ。きのう、いわき市平の市街を通ったら、ハクモクレンが満開だった。平・塩の夏井川のハクチョウも姿を消した。
1週間前、阿武隈の山の向こうの田村市常葉町の実家へ帰った。ちょうど弟夫婦もやって来た。床屋をやっている兄夫婦に代わって、3人で墓参りをした。午後には夏井川を下って帰宅した。久しぶりにふるさとの景色を目に焼きつけた。
実家の裏庭に、私と同じくらいの高さのヤナギがあった。挿し木で生長したのだろう。ネコヤナギかアカメヤナギかはよくわからない。ネコでもアカメでもいい。その花にミツバチが群がっていた=写真。セイヨウミツバチか、二ホンミツバチか。体の小ささからして二ホンだとは思うが、それもよくわからない。標高450メートル前後の高原の町にも春が近づいていた。
写真を撮ってパソコンに取り込み、拡大したら、ヤナギの花穂(かすい)がきれいに映っていた。ミツバチもそんなにぼけてはいなかった。
永幡嘉之さん(山形)の写真集に『原発事故で、生きものたちに何がおこったか。』(岩崎書店、2015年2月刊)がある。毎年、阿武隈高地(本では「阿武隈山地」)で昆虫の調査を続けていた写真家が、人のいなくなった相双地区、津波跡の海岸の生きものたち、なかでも虫たちを追った記録だ。大津波と原発事故の影響を受けた地域の現状が生きものを通してわかる。
NHKの<東北Z>のように、阿武隈の生きものたちの影響を追った番組は見る。本も読む。そうしたなかで目にした好著であり、春のヤナギとミツバチだ。
阿武隈を深く、広く、そして原発事故後は新しく知る――原発事故の前は、まるで置いてきぼりにされたような阿武隈だったが、今や人類史、自然史の最先端だ。阿武隈についてのさまざまな知見が得られつつある。庭のヤナギとミツバチにも、放射線量の影響はあるのかないのか。そのくらいの意識は持てよ、と自分のなかの“阿武隈人”が叱咤するのだった。
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