2015年3月24日火曜日

卒業式

 小学校の卒業式がきのう(3月23日)、行われた。会場の体育館のわきにあるヤブツバキの花が満開だった。(ここではこれが卒業式を祝う季節の花だ)
 ヤブツバキは、夏井川流域では渓谷の集落・牛小川あたりまで分布する。今年はまだ確認していない。が、同じ場所でマンサクの花が満開だった=写真。ヤブツバキの花前線も到達していることだろう。来賓席でそんなことを思った。

 旧神谷村にある公立小・中学校と養護学校から卒業式と入学式の案内が届く。小学生については学校・家庭だけでなく、地域も加わって祝ってやりたい――という思いがある。背中より大きいランドセルを背負って家の前を行き来していた子どもが、いつのまにかランドセルがままごとのように小さくなっている。なかにはPTA仲間の孫もいて、時の経過を痛感させられる。

 卒業式に招かれるのは2回目だ。自分の小学校の卒業式の記憶はほとんどない。息子2人の卒業式はカミサンまかせだった。ジイサン・バアサンの年になって初めて、現代風の卒業式に触れた。

 送る児童は5年生のみ。厳粛ななかにも軽快な音楽を配してエールの交換をする。目をつぶっていると、ラジオのミュージカルを聴いているようだった。

 少子・高齢化の最前線がここにある――市部の小学校なのに、卒業生が2クラスで39人(男子26人、女子13人)しかいない。夕刊(いわき民報)によると、いわき市全体の卒業生は3196人(男子1595人、女子1601人)だ。女子が3分の1しかいなかったのはたまたまだろう。

 高齢化の方は、来賓席をみれば一目瞭然。PTA関係を除けば学区内8行政区の区長、民生委員など70歳前後がほとんどだ。

 式の前に校長室で先輩区長さんらと話した。私を除いて全員、3月末にお役御免になると思っていたが、2人が留年、いや留任に決まったという。いやあ、いっぺんに孤立感が解消された。

 別の区の区長OB氏が昔、「区長の仕事は後任を見つけることだよ」と言っていたが、その区では自動的に区長が決まるシステムになっているらしいと、あとで知った。現実には厚く高い壁が立ちはだかっている。卒業式に出席して、区長を卒業できない3人で笑うしかなかった。

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