各自治体で新年度の予算案を審議する議会が開かれている。南相馬市長が市議会3月定例会冒頭の提案説明で、「脱原発都市宣言」をすることを表明した、という新聞記事を読んで、いわき市の「非核平和都市宣言」を思い出した。
昭和61(1986)年3月、いわき市は「非核平和都市」を宣言する。市民有志が中心になって短期間に6万人近い署名を集め、市議会に請願したところ、全会一致で採択された。それを受けての自治体宣言だった。幹線道路である国道6号の南北の市境と、同49号の平田村との境に「非核平和宣言都市」の塔が立つ=写真。
なぜ南相馬市が「脱原発都市宣言」を? ネットで経緯をチェックした。同市の復興総合計画に盛り込まれた「まちづくりの目標」のひとつに、「原発事故を克服し、誰もが安全・安心に暮らせるまち」がある。それに基づく宣言だろう。具体的には、15年後の2030年までに市内で使う電力をすべて再生可能エネルギーでまかなう、というものだ。
市議会12月定例会で「脱原発都市宣言」について質問した議員がいる。その答えは「3月議会を目標に議会と協議していく」だった。
いわき市の「非核平和都市宣言」は戦後40年が契機になった。南相馬市の「脱原発都市宣言」はたまたま戦後70年の節目と重なる。両市の間に双葉郡が位置する。大熊・双葉町にまたがる1Fを、楢葉・富岡町にまたがる2Fを、「非核」と「脱原発」の都市がにらむ、という図か浮かぶ。
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