いわき地域学會の第321回市民講座(第24回阿武隈山地研究発表会)が11月19日、いわき市文化センターで開かれた。地域学會幹事で樹木医の木田都城子さんが「いわきの樹木
四季彩・再発見」と題して話した=写真。
阿武隈の地域は、地理学的には「阿武隈高地」と呼ばれるが、植物学の世界では「阿武隈山地」が一般的らしい。地域学會の一部門、自然部会による11月の講座は「阿武隈山地研究発表会」を兼ねる。
木田さんはいわきの名木、樹木と地域の歴史などを概括的に紹介した。頭の中でごっちゃになっていたもののひとつに、ヤマザクラとヤマナシの花がある。ともに、4~5月に咲く。
夏井川渓谷では、春、真っ先にアカヤシオの花が咲く。それからヤマザクラに移る。そこにヤマナシの花が混じっていたとしても、私には区別がつかない。樹木医の専門知を借りることで、春の花の見方が少し広がった。
宮沢賢治の短編に「やまなし」がある。子どものカニが2匹、水底で話している。「クラムボンはわらったよ」で始まる。天井を行ったり来たりしていた魚がカワセミに捕まって姿を消す。別の日、今度はヤマナシの実が落っこちてきた。父親のカニがいう。「もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈んで来る。それからひとりでにおいしい酒ができるから」。童話では“名酒”になるが、実際には食べてもうまくないらしい。
樹木医の仕事は多岐にわたる。てんぐ巣病にかかったソメイヨシノの“外科手術”もする。 病気の枝を剪定し、切断面に塗布剤を施す対症療法だが、手当てをすることで花は復活する。
いわきの沿岸部では津波対策として防災緑地づくりが進められている。きのう(11月20日)は豊間、薄磯両防災緑地で植樹祭が行われた。NHKのローカルニュースで知った。木田さんも樹木医として参加した。
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