2018年2月27日火曜日

「福寿草の里」に若者がいた

 きのう(2月26日)の続き――。日曜日午前、三和ふれあい市場で野菜と漬物を買い、近くのふれあい館でつるし雛展を見たあと、下三坂の「福寿草の里」へ車を走らせた。場所は、つるし雛展主催団体「下三坂結布喜(ゆうき)会」の女性に聞いた。
 長沢峠を越え、国道49号から右折して三坂川(夏井川支流)沿いに県道川前停車場上三坂線を下ると、ほどなく三坂稲荷神社に着く。境内のフクジュソウが満開だった=写真・上。そこから200メートルほど進んだ先の土手が、よく写真で紹介されるフクジュソウの群生地だ。そこら一帯を含めて「福寿草の里」と呼んでいるのだろう。

 境内に看板が立っていた=写真・左。今度の日曜日の3月4日、神社境内で「福寿草まつり」を開く、とあった。主催団体はフクシマ環境未来基地。震災後、いわきで支援活動を展開したトチギ環境未来基地を母体に、いわきを活動フィールドにして生まれた環境保護・森づくり団体だ。

 境内の隣の広場に若者数人がいた。神社の氏子青年部? そうではなさそうだ。カミサンが声をかける。いわき弁と違って、きれいな言葉が返ってきた。大学生だろうか。
 
 あとでフクシマ環境未来基地のホームページを見て合点がいく。同団体の事務所が神社の近くにある。農家の空き家を借りたのだろう。事務所兼宿舎「三和(みわ)ハウス」を拠点に、森づくりや稲作・畑仕事体験、地域住民との交流事業などを展開している。
 
 三和ハウスを利用しているのは長期滞在ボランティア、週末ボランティアなどで、大学を休学して参加する若者もいるようだ。神社から一瞬、氏子青年部の連想がはたらいたのは、長期滞在ですっかり下三坂の土地になじんでいたからか。
 
 過疎化・高齢化が進むなかで中断していた「福寿草まつり」も、若者たちの協力で復活し、去年(2017年)からは同団体が単独で実施している。下三坂地区大運動会にも参加している。地域にしっかり溶け込んでいる様子がうかがえる。区長さんらにとっては頼もしい存在だろう。

「美しい山村の景観は人間が手入れすることで受け継がれる」。哲学者内山節さんのいう「自然と人間の交通」を実践するような姿勢、認識には共感が持てる。

 山里には担い手である若者が少ない。震災前からすでに森林の荒廃や集落の存続などが問題になっていた。トチギ環境未来基地は平成21(2009)年、そうした問題の解決に若い力で寄与しようと発足した。震災を機に、今度はいわきでもそれを実践しようというわけだ。

下三坂での活動もすでに3年に及ぶ。若者たちも山里暮らしから得るものがいっぱいあるはずだ。彼らの活動を伝えるフェイスブックをフォローすることにした。

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