阿部はいわき出身でスペイン在住の画家だ。昭和40(1965)年代後半、平の草野美術ホールで知り合った。結婚と同時にスペインへ渡り、奥方が10年前に亡くなったあとも、同地で制作を続けている。
日本国内で個展を開くたびに帰国し、在廊するので、いわきでは旧知の人間が画廊に顔を出す。きのう(3月29日)も知り合いがいた。たまたまオリーブの話になった。
私が切り出した。先日、夏井川渓谷の隠居へ行った帰り、平地の国道399号沿いにある「オリーブ農園」を見たら、下流側のオリーブの木が切られてなくなっていた=写真。せっかく育ったのに、ボランティアが農作業を手伝ってきたのに……。
シャプラニール=市民による海外協力の会の「みんなでいわき!」ツアーの一行が3週間前の3月9日、オリーブ農園で農作業を手伝った。農園はほかにもあるから、そこだったかどうかはわからない。が、2015年と翌年のいわきツアーでは、そこで草むしりをした。地元のシャプラ関係者として夫婦で作業に加わった。拙ブログによると、2016年の6月にはこんな様子だった。
――オリーブは植えられて4~5年とかで、キンモクセイに似た小花をいっぱい付けていた。花にカメラを向けていると、小さなミツバチが目に入った。二ホンミツバチだった。
ツアーの一行はオリーブの根元の草むしりに精を出した。草が生えていると虫が寄ってくる。なかでもシンクイムシは苗木の根元近くに穴をあけ、内部に入り込んで苗木を枯らす。それを予防するための草引きだった――。
いわきは耕作放棄地が多い、その休耕地を借りてオリーブ栽培を始めた――と聞いていた。地権者から返還を求められたのだろうか。
私の話を受けて、阿部がスペインのオリーブについて語った。私らが質問をする、阿部が答える、という展開になった。印象に残ったことを二つ紹介する。「オリーブの木は硬い」。まな板やスプーンなどのキッチン用品に向く。「オリーブの実は生だと苦い」。漬けたのを酒のつまみにしたらいい、ということだった。
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