このところ毎週、異なった刺し身を楽しんでいる。1月14日の日曜日はイカとイワシだった=写真。
その前の日曜日はイカ、ヒラメ、タイの盛り合わせにしてもらった。年末にはメジマグロを口にした。
何年か前まで、日曜日に食べる刺し身の魚種は時期的に決まっていた。春から秋まではカツオ、冬はカツオ以外。
秋にカツオが切れると、サンマがあった。ところが、ここ何年かはサンマの刺し身とは縁がない。
行きつけの魚屋さんはたぶん、常連のお客さんの顔を思い浮かべながら、卸売市場で魚を調達する。
この冬は師走に入ってもカツオがあった。カツオに代わる赤身がない。そこで市場に入ってくるカツオを買い続けたのだろう。
マグロはある。私はしかし、メジ以外はどうもなじめない。それで、「メジがあります」といわれれば、「それで」となるが、「マグロは……」では首を横に振って、ほかの魚を頼む。
カツオが冬も食べられて、サンマがなぜ入ってこなくなったのか。あるいは、イワシがなぜ北海道で大量に死んで打ち揚げられたのか。
日曜日に行くたびに、魚屋の主人が問わず語りで教えてくれる。それに刺激されて、ときどきネットで海の魚の状況を調べる。
この冬初めてイワシの刺し身を食べたばかりだったので、その生態を知りたくなった。「イワシの大量死は急に冷たい海水に出合ったからですよ」。魚屋の主人の言葉が気になった。
イワシの大量死は、テレビや新聞のニュースでもやっていた。原因はやはり冷水塊だった。それ以外の魚では、「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」が参考になった。
ちょうどいいタイミングというか、朝日新聞(1月19日付)の「ひと」欄に、ネットで魚介類の情報を発信している水産研究家が紹介された。
発信者は藤原昌高さん、67歳。研究機関にも大学にも属したことはないが、「市場関係者ら水産のプロも、その情報に絶大な信頼を寄せる」という。そのウェブサイトがこの「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」だった。
運営者がだれか知らずに、魚について調べようとすると、早い段階でこのサイトに出合う。それだけ人気のサイトなのだろう。
さっそくこのサイトでおさらいをする。このごろ、いわきでも食べられるようになったタチウオについて。太平洋側では、2000年以前は伊豆半島以西に多く、東日本では水揚げが少なかった。
同じく、小名浜でも獲れるようになったイセエビは、生息域が「茨城以南の太平洋側」で、これも少しずつ北上している。
トラフグは、産地も、消費地も西日本が中心だが、最近は伊勢湾、駿河湾、関東と東北に漁場が広がっているという。
サンマは、2020年ぐらいから急激に減少している。中国・台湾の公海上での漁獲が始まったこともあるが、それ以上に温暖化の影響の可能性が大きい。
海水温の上昇が北上を促し、南下をとどめる。急な水温低下が大量死を招く。変温動物の魚にとっては生きづらい時代になった。
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