2024年1月29日月曜日

ここにもシュロが……

            
 温暖化の影響でシュロの分布域が北へ広がっているとわかってから、急にいわき市内の寺社林や民家の庭の樹木に目がいくようになった。

 わが家にはマサキとサンゴジュの生け垣がある。庭には柿の木を中心に、カミサンが植えたカエデ、ジンチョウゲ、フヨウ、そして子どもの小学校卒業記念樹のプラムなど。

 自然に生えてきたのはヤツデ(今では7本に増えた)、アオキ、シュロと、名前のよくわからない何本かの木。いずれも鳥が種を運んで来たらしい。

わが家の庭がそうなら、ほかでも……。まずは南隣の義弟の家の庭から観察を始める。

大きく育ったシュロの木が1本ある=写真。モジャモジャの繊維をまとった幹がすっくと立ち、先端にわんさと細長い葉を広げている。樹齢はすでに何十年、といったところか。

ん? 根元近くにも葉が……。よく見ると、太いシュロの木の奥にもう1本、細く小さなシュロが生えていた。

モジャモジャの幹はまだ40センチくらいだ。こちらは芽生えて10年ちょっとか。年数を隔てながらも、同じところに2本、ヤシ科の植物が活着した。

40年以上前は老夫婦が住んでいた。2人が亡くなると、カミサンの実家が土地と家を買い取った。

義弟が住むまでは、書庫のように使っていた。物置代わりでもあったから、庭は草を刈る程度だった。シュロを植えるようなことはむろんしなかった。老夫婦もそれは同じだったろう。

とすれば、いずれも鳥(たぶんヒヨドリ)が種を落としたのが芽生えたのだ。シュロは冬の平均気温が4度以下だと枯れるそうだ。つまり、いわきでも種が発芽するまでに温暖化が進んだ、ということになる。

1月下旬以降、平のマチへ行くときには、駐車場で待機しているときなどに、周囲の緑をチェックするようになった。

それともう一つ、グーグルマップのストリートビューを利用したときに、沿道の寺社林や緑地を拡大して、シュロらしい葉がないかどうかをチェックする。すると、どうだ。あちこちの林にシュロらしい葉が見える。

平のマチの西部に子鍬倉神社がある。その南側の林にシュロの葉が見られる。本数としては何本になるだろう。見た感じよりは多いかもしれない。

同神社と平一小の間にある坂の途中にもシュロの葉が見られる。常磐湯本町の温泉旅館街にある林にもシュロの葉があった。

まだ自分の生活圏さえチェックができていないが、最近、近所の家が解体されて見晴らしがよくなったとたん、裏にあって見えなかった家の庭にシュロが生えているのがわかった。植栽か自生かはむろん不明だが、シュロはけっこう増えているらしい。

東京の井の頭公園などではシュロが増えすぎて問題になっているようだ。いわきでもやがてはシュロの駆除が課題になってきそうな予感がする。

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