2015年1月4日日曜日

氷の力

 きのう、1月3日。半月ぶりに夏井川渓谷の隠居(無量庵)で過ごした。新年を迎えたので、長男一家と次男夫婦もやって来た。

 この時期、隠居で最初に確かめるのは水道管だ。11月末には台所の温水器の水抜きをし、洗面所の元栓を締めた。温水器は、行けば使う。帰るときに水を抜く。12月中旬にもそうした。

 濡れ縁に屋根の雨だれを受けるバケツとこね鉢がある。いずれも水がいっぱいで、表面から5センチほどが凍っていた。孫が父親に氷の円盤を取ってもらって遊んだ=写真。

 こね鉢にはひびが入っていた。孫がさわると、ポロリとはがれた。水は凍ると膨張する。焼き物に詳しいカミサンの話では、氷の力に焼きの甘い陶器は耐えられない。前にも同じように浅鉢が割れた。

「西高東低」の気圧配置になると、いわきでは晴れて風が強くなる。落ち葉が舞いあがり、水平に飛んで行く。地面はカチンカチンに凍結している。辛み大根の収穫をあきらめ、堆肥枠に穴を掘って生ごみを埋めた。それでも溪谷の奥、標高の高い川前町や三和町よりはましだ。籠場の滝のしぶき氷はまだ薄く、小さい。

 ささやかな昼食会を終え、それぞれの家族が帰ったあと、戸締まりをして隠居を離れた。車で10分ほど行ったところで、突然、カミサンがつぶやいた。「温水器の水を抜いてなかった」「一発でやられる!」。すぐ後続車と対向車をやり過ごしてUターンした。

「ま、いいか」なんてそのまま家に帰ると、まちがいなく温水器から水が噴きだす。洗面所と合わせて隠居ではもう5、6回、水道管の凍結破損事故が起きている。私の“水抜き忘れ”が原因だ。カミサンが途中で思い出さなかったら、7回目の凍結破損事故が起きていた。

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