福島民友新聞のきのう(1月24日)の1面コラム「編集日記」=写真=です。自己宣伝ですみません。(新聞では▼で起承転結を示しているが、ここではいつものように行分けにした)
☆
いわきで取材などで話をしていると、「いわきは広いから」と言うのをしばしば耳にする。「単純にひとくくりにできない」「いろんな側面がある」というような意味を込めているようだ。
では「広い」とどうなるのか。いろいろ考えてみたがつかみきれないでいた。この言葉の意味を理解する一つの視座を与えてくれたのが、いわき地域学会の代表幹事を務める吉田隆治さん。
いわきを横断する夏井川、藤原川、鮫川の3流域と、海岸沿いの浜、平野部のまち、阿武隈山系の山の縦に延びる3地域からなる3極3層の見方で、吉田さんは約25年前にまちづくりの考え方として提案した。流域や地域ごとに独特の文化や交易圏をつくり、人々の考え方に影響を与えてきたという。
この「広いいわき」に海岸線ルート53キロを含む総延長119キロの自転車道路網が既存の道路も活用して整備される。吉田さんの言葉を借りれば「毛細血管ができる」。
北から南に広がる浜の食文化や内陸の異なる風習……。変わらないことや異なることを体で感じられる手段が一つ加わる。今まで見えなかったいわきが見えてくるかもしれない。
☆
地域紙の記者にとって大事なのは、天下・国家を論じることではない、生活の現場からニュースを掘り起こすことだ。その現場(いわき)をどう見るか、私の場合は「3極3層」という考え方だった。この欄でもときどき触れている。
「編集日記」氏に以前話したことがあって、自転車道路網の整備計画が発表されたのに合わせて、再度話を聞かせてくれとやって来たのだった。(人の文章ですみません)
0 件のコメント:
コメントを投稿