土曜日(1月24日)の朝、勝手口の外にある灯油缶と牛乳瓶を手にもって、足で玄関の戸を開けようとしたら、「コーコー」と鳴きながらハクチョウの小群が飛んで来た。
雲ひとつない青空をバックに、10羽ほどがV字形に編隊を組み、南西の夏井川から北東の山側へと向かっていた。とっさに「カメラを」と思ったが、手がふさがっている。白い体が朝日に輝いてきれいだった。
小欄で何度も書いているので気が引けるのだが、ハクチョウが朝晩、家の上空を通過する。鳴き声が降ってきても、いつものことだからと気にも留めない。が、空の色と時間によっては美しい瞬間があるのだ。
月曜日、朝から茶の間のこたつに陣取って仕事をした。午後になるとさすがに腰のあたりが重くなった。外の空気も吸いたくなった。カメラをぶらさげて夏井川の堤防まで散歩に出かけた。歩いて出かけるのはそれこそ2年2カ月ぶりだ。
夕方4時――。近所の家の庭のロウバイが咲いて、香気を放っていた。無風だが、空気は冷たい。人間はたまに「寒ざらし」をすることで気持ちがシャキッとするのではないか。そんなことを考えながら歩いていると、音もなくハクチョウが数羽、山陰や河口周辺の田んぼから夏井川の休み場へ帰ってくるところだった。気づいたときには、ファインダーのなかでけし粒になっていた。
こうなったら狙って撮るしかない。帰宅して、2階の物干し場で20分ほど北東の空を眺めた。不意に小群が現れる。夕方も鳴きながら飛んでくるグループがあるが、この日はみんな黙って川へ戻っていく。しかも曇天。灰色をバックにしたハクチョウでは、鮮やかさに欠ける。わずかに撮れた1枚がこれだった=写真。青空にくっきりとV字を描く編隊を撮るまで粘ってみるか。
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