いわき市の夏井川でハクチョウが最も多く飛来するのは、平・平窪。日中は左岸(平窪)と右岸(赤井)に分かれて、田んぼで落ち穂や二番穂をついばんでいることが多い=写真。
その下流、平・塩~中神谷のハクチョウも、日中はどこかの田んぼへ出かけて食事するのだろう。
朝8時半ごろになると、わが家の上空を鳴きながら飛んでいく。毎日のことなので、いちいち庭へ飛び出して仰ぎ見るようなことはしない。たまたま外に出ていたときに眺めると、2羽だったり、5羽だったり、3羽だったり……。いつも北東の方角へ向かっていく。夕方は4~5時に、やはり鳴きながら同じコースを戻ってくる。
鳥インフルエンザが問題になって以来、夏井川白鳥を守る会は平窪でのえさやりを自粛している。塩~中神谷では対岸のMさんが軽トラで毎朝、えさやりにやって来た。Mさんは平成24(2012)年6月に亡くなった。それを知らずにいた。
おととしの年末、ハクチョウにえさ(くず米)をまくおばさんに出会った。午後3時すぎ。堤防を利用して街から帰る途中、何十羽ものハクチョウが空に現れ、らせん状に下降しながら着水した。ちょうど、堤防そばの家から“白鳥おばさん”がやって来てえさをまいた。おばさんが岸辺に立つと、ハクチョウたちが寄ってくる。あわてて飛んでくるものもある。
そのとき初めておばさんと話した。「日中はどっかに行ってるみたいね。そろってからえさをやるようにしてんの」。朝はMさんが、午後はおばさんが――。Mさんの死を知らなかったので、没後1年半たってもそんなことを思っていた。
「どっかへ行く」その先の一つが北東の方角だった。そちらの方角に若い仲間が住んでいる。先日、ハクチョウの話をしたら平・北神谷や四倉・長友の田んぼにいっぱいいるという。北神谷も長友も、塩~中神谷の夏井川からみると北東の方角だ。疑問が解けた。いつかそちらへ足を延ばして写真を撮ろう。
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