2016年5月16日月曜日

むがーしむがしのはなし

「いわき民話の会」の発表会「むがーしむがしのはなし」がきのう(5月15日)午後、いわき駅前のラトブで開かれた=写真。パッと見には平野レミ似の“姉さん”こと広沢和子さんが中心の会で、9人が出演した。
“姉さん”とは20歳のころに出会った。26歳と言われた記憶があるから、たぶんサバを読んでいたのだ。その後、“姉さん”の骨折りで(実際にはもう一人のルートもあったが)、人を介していわきに職を得た。

“姉さん”はOL。父親は左官の親方。長男が跡を継いだ。その家の近くにアパートを借りた。今のアパートと違って部屋には風呂もトイレもない時代、毎日のように風呂をもらいに行った。ときどき、ビールと晩ご飯をごちそうになった。それからほぼ45年。両親はだいぶ前に旅立ち、スナックを経営していた妹も、“姉さん”の姉たちも亡くなった。

“姉さん”の民話の語りを初めて聴いたのは震災前の2009年だった。好間町に家を建て、退職後は地元の地域振興協議会に加わり、「好間の民話」を収集・記録するグループの一員になった。やがて「いわき民話の会」を立ち上げた。「いわきの民話をいわきの言葉で」がモットーだ。

 7年前、拙ブログこんなことを書いた。登場人物が乗り移ったような迫真性、民話の語り部というよりは一人芝居の役者のような演技力。「いわき語」の躍動感、力強さ――。今回の「片めっこだぬき」には、さらに落語家の話芸をほうふつさせる自在さがあった。そのうえ「真正いわき語」だからオリジナル性は高い。

 ついでながら、プログラムのトップはいわき市四倉町の下仁井田に伝わる「浦島太郎」だった。下仁井田は新舞子の海辺のムラ。先日、若い知人と、四倉の浦島太郎伝説や沼ノ内に死んで打ち揚げられたアカウミガメの話をしたばかりなので、下仁井田の昔の浜の様子を想像しながら興味深く聴いた。

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