その「くまモン」(中国製)=写真=がわが家へ来たとき、半世紀以上前にはやった「ダッコちゃん」を思い出した。動物と人間の違いはあるが、大きさはそう変わらない(ダッコちゃんが少し大きいか)。ダッコちゃんはコアラのように二の腕に止まった。くまモンは弾力がある。指で背と腹をギュッギュッとやれる。ギュッギュッが癖になりそうだ。
「東北地方太平洋沖地震」(東日本大震災)では熊本からも支援を受けた。そうこうするうちに「平成28年熊本地震」が起きた。少しでも恩返しをと、いわき市のNPO「ザ・ピープル」の代表が熊本へ駆けつけた。
「社会イノベーター公志園」でつながっている熊本の女性の家が全壊した。フェトレード商品を扱っていた。熊本市がアジアで初めて、フェアトレードタウンに認定されたときの中心人物だという。
週明け、ピープル代表が熊本から届いた段ボール2箱分のフェアトレード商品をわが家へ持ってきた。カミサンがシャプラニール=市民による海外協力の会のフェアトレード商品を扱っている。熊本の店の品物を代行して売ってほしい、という(あとで知ったが、熊本の女性もシャプラの会員で、シャプラの商品も扱っていた)。
フェアトレード商品は黙っていても売れるものではない。なぜその商品が生まれたのかを説明して、納得して買ってもらう必要がある。とはいえ、値段がいわきのレベルを超える。先進都市の熊本と、そこまではいっていないいわきの違い、人口数や市民意識などの差があるのかもしれない。
で、ピープル代表を介して熊本と連絡を取ったら、正札ではなくカミサンの裁量に任せるとなったらしい。さっそく、カミサンが店に来る人にセールスを始めると……。一番値段のいいブータンの織物に分割払いの予約が入った。
小物を中心に買ってくれた人たちも含めての反応がおもしろい。くまモンを抱くと感触がいいのか、「これ、ほしい」。「抱きくまモン」を、熊本の震災支援に生かすフェアトレード商品にしたら、間違いなく売れる。半世紀以上前の抱っこちゃんの再来になる、という直感があるのだがどうだろう。
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