日曜日(5月22日)の朝10時25分ごろ――。平地から駆け上がったばかりの夏井川渓谷の入り口、磐越東線の磐城高崎踏切に近づくと警報が鳴り、遮断かんが下りてきた。線路の両サイドには“撮り鉄”が待ち構えている。急いで助手席のカミサンにカメラを渡すと、青と白のしゃれた列車が通過した=写真。ネットで確かめたら、秋田所属のクルージングトレインだった。
2年前(2014年)の初夏のことを思い出す。6月14、15日に車体がポケモンのキャラクターでラッピングされた臨時列車「ポケモン磐越東線号」が運行された。2日目の日曜日朝、渓谷の隠居の庭からそれを見た。
たまたま事前に知って、カメラを持って待ち構えていた。その意味では臨時の撮り鉄。翌日、当時小1と保育園年中組の孫が、父親と一緒にわが家へやって来た。孫たちが母親ともう一人の祖母と一緒に乗っていたと聞いてびっくりした。列車の外と内側とで一瞬、向き合ったことになる。
その20日前、同じような時刻に車体が青と白の「磐越東線新緑号」が隠居の前を通過していった。これも臨時列車だ。今思えばクルージングトレインだったのだろう。
今度の「磐越東線新緑号」の中身はいわき市総合観光案内所のスタッフブログで知った。たまたま踏切で写真を撮ったので、どんな臨時列車だったのか、確かめたかったのだ。それを手がかりに検索すると、あるは、あるは。撮り鉄の報告が次から次に出てきた。「ふくしまアフター・ディスティネーション・キャンペーン」の一環として運行されたという。
新緑の渓谷もいいが、1年のうちで最も渓谷が美しく輝くのは、アカヤシオの花が急斜面を彩る4月中旬。「磐越東線アカヤシオ号」の方が乗客の感動を呼ぶことは間違いない。沿線の花見客やアマチュアカメラマンも急きょ、撮り鉄に変わる。クルージングトレインが知られる絶好のチャンスだ――なんてことをついでに夢想した。
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