10月14日に吉野せい(1899~1977年)原作「洟(はな)をたらした神」の上映会&トークショーが開かれる。吉野せい賞創設40周年記念の冠が付く。告知記事が9月5日、いわき民報に載った=写真。会場はいわきPIT。入場料は500円。記事では抜けていたが、定員は200人で、PITへの電話申し込みが好調らしい。
いわきの「百姓バッパ」が書いた『洟をたらした神』が昭和49(1974)年、弥生書房から出版され、世間に衝撃を与えた。翌年春には大宅壮一ノンフィクション賞・田村俊子賞を受賞する。その1年後、劇化され、いわきでの2回目の公演益金を基に、同53年、吉野せい賞が創設された。同じ年、神山征二郎監督が映画(最初はテレビドラマ用)を製作している。
吉野せい――といっても、人と作品をわからない市民が増えている。それはそうだ。『洟をたらした神』の出版からもう43年がたつ。映画を通じて昔のいわきの風景を、せいを、せい賞を知ってもらおうということだろう。
生前のせいを取材したことがある。地元メディアの人間として、最低限の知識は仕入れておこうと、せいの文章を読んできた――それだけのことだが、トークショ―に加われ、ということになった。
上映まで1カ月を切って、PR活動に拍車がかかっている。主催のいわきロケ映画祭実行委員長がFMいわきに出て告知することになった。いわき小劇場のMさんから依頼があったという。Mさんは映画「洟をたらした神」に出演した。どこでロケをしたかも知っている。映画しか知らない若い世代には、貴重な情報だ。
わが家を経由して川内・獏原人村の卵を取り寄せているMさんがいる。やはりいわき小劇場の一員だ。きのう(9月16日)、卵を取りに来たので確かめた。「夫婦かといわれるけど、そうじゃない。お互い迷惑してる」と苦笑した。
上映会には興味を持っていたという。「早く申し込んだ方がいい」というと了解した。申し込みの勢いからすると、抽選になって落選者が出るかもしれない。
若い人たちにまじって動いていると、思わぬ発見がある。学校の後輩の甥っ子が実行委員会に属していた。2カ月に一度の飲み会の仲間でもある。老いては子に従え、若い人にも従え、だ。同級生や同世代の人間とは別のおもしろさがある。
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