2017年9月20日水曜日

林道のフレコンバッグ

 いわき市小川町上小川字牛小川地内の夏井川渓谷と、山を越えた同市川前町下桶売字荻地内を結ぶ林道がある。通称・スーパー林道=広域基幹林道上高部線だ。幅員5メートル、延長14キロ。川前の隣・川内村に住む陶芸家を訪ねたり、田村市常葉町の実家へ帰ったりするときに利用する。
 敬老の日(9月18日)、実家からの帰りに都路―川内―川前(スーパー林道)ルートで、夏井川渓谷の隠居に立ち寄った。

 スーパー林道を利用するのは2年半ぶりだ。もう9月も後半。県道から折れて入り込むと、草が茂り、ススキが道の両側から「うらめしやー」をしていた。センターラインはない。が、普通車ならすれ違える1級林道だ。それが、ススキの穂やハギで1台がやっと、というくらいに狭まっているところもある。

 ところがどうだ、さらに奥へ進むと、急に道端からススキやハギが消えた。草が刈り払われてすっきりしている。対向車両がある。人もいる。車も止まっている。人や車を見たのは、荻地区の放射線量が高くて避難の話が出ていた震災直後以来だ。

 それ以上に驚いたのが、ところどころに黒いフレコンバッグが置かれていたことだ=写真。表面に字が書いてある。「H2999」「H29916」は年月日、「0.83」とか「0.86」は線量だろう。

 フレコンバッグの中身は分からない。が、草が刈り払われた道路の状況からして見当はつく。さらに行くと、道端に看板が立っていた。「森林内の整備をしています。」。ていねいに句点「。」が付いている。その下に「10月31日まで」「ふくしま森林再生(県営林)事業上高部地区」などとあった。

 あとで福島県のホームページなどにあたる。森林再生事業では、間伐などの森林整備と、放射性物質の動態に応じた表土流出防止柵などの対策を一体的に行う、とあった。それで、車が止まっていて人がいたのだろう。

 原発事故からおよそ3カ月後の2011年6月8日。実家へ帰るのに、スーパー林道を利用した。線量が高いことは分かっていたので、マスクをし、エアコンもかけず、ときどき車を止めて車内の線量を測った。

 牛小川に最も近い第一の峠で毎時0.722マイクロシーベルト、第二の峠では1.876、第三の峠は1.781、第四の峠は1.747、終点の荻に下ると1.945あった。

それから6年半。自然減衰と物理的減衰で数値が下がっていることは、これまでの全体の傾向からも想像できる。放射線量を忘れているわけではないが、今はめったに線量計は持ち歩かない。

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