毎朝15分のなかに、ちょっとした涙があり、笑いがあり、意表を突く演出がある。きのう(9月28日)は、奥茨城村のバスの男性車掌・次郎が村長選に出馬していた。みね子でなくても驚いた。洋食屋のウエートレス谷田部みね子が主人公のNHK連続ドラマ「ひよっこ」だ=写真。
きのうは――。みね子が里帰りし、家の近くで咲き誇る花たちに目を輝かせる。稲作プラス花栽培の複合経営へと乗り出した父親(記憶はまだ戻っていないはずだ)が、みね子にいう。これまで仕送りをしてくれてありがとう、これからは給料を自分のために使ってほしい。ほかの家族もあらたまってみね子に礼を言う。
あしたは最終回。みね子の妹分の青天目澄子がいわき・小名浜出身の設定だったこと、みね子が私ら昭和22~24年生まれの団塊の世代と年齢が近い(団塊の1年先輩)こともあって、毎日、茨城に接するいわきの準ご当地番組のように自分の青春の思い出を重ねながら見た。
がんばればがんばっただけの成果が得られた右肩上がりの高度経済成長時代を象徴するように、ほぼ毎回、「がんばっぺ」「がんばろう」「がんばって」「がんばる」という言葉が聞かれた。途中からひそかに<「がんばる」ドラマ>と名づけた。がんばったから、「ひよっこ」から一人前の「おとな」になれたのだ、ということなのか。
先週土曜日のシェフと愛子さんの会話には、ドキッとした。シェフは早くに妻を亡くした。愛子さんは恋人を戦争で失った。ともに妻を、恋人を忘れられない。それでも「恋はできますよね」(愛子さん)「二番でいいです。私は愛子さんにとって世界で二番目に好きな男で構わないです」(シェフ)。
7月25日付の拙ブログにこんなことを書いた。みね子が島谷君と別れたあとだ。
<「ひよっこ」は9月末まで続く。まだ7月後半だ。9月末にハッピーエンドになるならともかく、今の段階でハッピーになるはずがない。結婚したら視聴率はガタ落ちだ――なんて勝手に気をもんでいたら、やっぱり……。みね子、いっぱい泣け。泣いて、泣き疲れろ。恋愛は世界一好きな人として、結婚は世界で二番目に好きな人とするんだよ――なんて、心のなかで叫んでいた>
カミサンがそばで見ていなくてよかった。同級生と飲んだり、若い人が来て酔ったりすると、「恋愛は世界で一番好きな人とする、結婚は世界で二番目に好きな人とする」と口走る。カミサンにも酔っていったことがある。すかさず、同じことを返された。シェフの肩をたたきたくなった。みね子も世界で二番目に好きなヒデと一緒になるようだし。
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