北茨城市の茨城県天心記念五浦美術館へ行くと、カミサンは館内の情報コーナーからほかの施設で開催・予定されているチラシ類を持ち帰る。
なかに、「いばらき時間」というパンフレットがあった。展示会ではなく、茨城県の秋・冬の観光をPRするものだった。表紙と裏表紙が1枚の写真でつながっている=写真。山は一目で筑波山だとわかる。池は? キャプションの「築西市『母子島(はこじま)遊水地』」を手がかりに、ネットで検索した。
築西市は茨城県の西部にある。南は下妻市、北は栃木県真岡市に接する。知らないマチへ行くと(ネットでもそうだが)、必ず「母なる川」を探す。築西市の川は利根川水系の小貝川だった。
小貝川には記憶がある。昭和61(1986)年8月、台風が襲来し、同川流域が激甚被害に遭った。小貝川水害だ。母子島遊水地は、その後の「災害に強いまちづくり」のなかで、集団移転跡地につくられたという。
近景に遊水地、後景に筑波山――。新しい茨城のビューポイント(視点場)ができた。それどころか、筑波山と遊水地と日の出を組み合わせた“山水写真”の定番になった。「いばらき時間」の表紙に使われた写真は、母子島遊水地から見た初日の出だそうだ。
初日の出に限らない。春分の日・夏至・秋分の日・冬至などに、真正面から朝日が、あるいは夕日が差し込む設計になっている社寺がある。
話は東南アジアに飛ぶが、7年前の2012年、秋分の日近くにカンボジアのアンコールワットを訪れた。秋・春分の日には、三つある尖塔の中央から朝日が昇る、ということだった。あいにく曇雨天続きのために太陽は拝めなかった。
あした(9月23日)は、その秋分の日。そんな「いわき時間」にひたれる聖地がある。たとえば、閼伽井嶽薬師。レイライン(光の道)に立ってなにかを思うのもいいのでは?
0 件のコメント:
コメントを投稿