とはいえ、「五風十雨」の言葉があるように、何日かに一度は雨(たまに雪)が降る、はずなのに……。福島地方気象台のホームページで確かめると、いわき市小名浜では昨年(2018年)12月23日に1.5ミリの降水量を記録して以来、きのう(1月24日)まで1カ月も雨がない。
会津と中通りの境に奥羽山脈が、中通りと浜通りの境に阿武隈高地が、南北にのびる屏風のように立ちはだかる。それが福島県の風土と文化をかたちづくる。いわゆる「はま・なか・あいず」。大陸からの季節風が日本海を渡って来るうちに雪雲になり、日本海側と会津に大雪をもたらす。中通りにも残りの雪を降らせると、もう浜通りでは乾いて冷たい風だけになる。
それが福島県の冬の気象パターンだが、ここまでいわきで雨が降らないと、かえって心配になる。
夏井川渓谷の隠居で昔野菜の「三春ネギ」の苗を育てている。極寒期の風緩和策として寒冷紗をかけた=写真上1。ネギは乾燥に強い。でも、たまには雨が降ってくれないと、追肥の効果も上がらないのではないか。
そのうえ、暖冬だ。おととい(1月23日)、去年定植して掘り取ったネギの溝跡に生ごみを埋めた。スコップが楽に入っていく。今の時期なら、凍土の厚さは5センチ以上になってスコップは歯が立たないのに、まだ「遅い秋」のようだ。
暖冬かどうかは渓谷の滝をチェックすればわかる。隠居の対岸にある「木守の滝」は、両端に白い帯のようなものができていた。しぶき氷だが、落水の勢いは変わっていない。全面凍結には程遠い。
夏井川本流の「籠場の滝」は、しぶき氷が一部、かすかに岩盤を覆っているだけだ。その滝の少し下流、左岸の「ヤマベ沢」の滝からは勢いよく水が落下している。渓谷で一番小さい橋が架かっている。改修時に展望スペースができた。そこから、つまり真上から滝の落水を見た=写真上2。ここもしぶき氷ははしっこに少しできているだけだった。
いわきの極寒期は立春(2月4日)あたりまでで、あと10日くらいこんな状態が続くと、異常気象ということになるのではないか。あした(1月26日)は「北の風、雪か雨、昼過ぎから曇り」の予報だ。雨でも雪でもいい、インフルエンザを抑えるためにもお湿りがほしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿