去年の暮れ、といっても、4日前のことだが、いわきキノコ同好会の総会・勉強会・懇親会が開かれた。2018年のいわきのキノコ事情がよくわかった。
去年は9月8日(小川町)、同29日(田人町)、10月7日(三和町)の3回、観察会が開かれた。
その総括――。初回。「キノコの出が心配されたが、ベニタケ科・テングタケ科・イッポンシメジ科・イグチ科のキノコが多く採集された。特に『アカイカタケ』が初めて採集された」
2回目。鑑定会には「キノコの中には普通あまり採集できないキノコもあった。(略)ベニタケ科・テングタケ科・フウセンタケ科・イッポンシメジ科・ヌメリガサ科のキノコが並んだ。中でもオオミヤマトンビマイが大型でひと際見事だった」。3回目は「最初の斜面を登ると見事なコウタケの菌輪が目に入った。近くにはシャカシメジの大株が散生していた」
これら観察会の結果を踏まえて、冨田武子会長は「今年は楽しい年だった」とあいさつした。私にとってもそうだった。しばらくぶりに9月8日の観察会に参加した。すると、キノコの神様が降りてきたのか、林道のへりでアカイカタケを撮影・採集することができた。
勉強会は、橋本和昭さん(須賀川市)が担当した。主に観察会でのキノコを写真とともに紹介した。そのなかから二つだけ取り上げる。阿武隈の山々では除染名目で森林の改変が行われた。それで、ある村では福島県で絶滅危惧Ⅰ類のセンボンキツネノサカズキ=写真上1=が消滅の危機にある。
橋本さんたちは緊急避難的にセンボンキツネノサカズキが発生した倒木を別のところへ移した。その倒木の養分を食べつくしたら、センボンキツネノサカズキはどうなるのか。除染か保存かの二者択一ではなく、除染も保存も――の折り合いのつけ方はできなかったものか。
もう一つは、アカイカタケ=写真上2。橋本さんは「大きい発見」という。「発生状況を報告してほしい」ともいう。よし、今年は特に意識して、菌類の立場で自然環境や人間のふるまいを見てみよう――と力こぶが入った。
橋本さんからはもう一つ、キノコの撮影の仕方を学んだ。9月8日の観察会では、持参の簡易撮影セットでキノコを撮影する姿を目撃した=写真上3。形態がわかるように、きちんと撮影する。三脚さえ持っていない人間には、橋本さんのていねいな扱いが大いに参考になった。「キノコは傘の裏も撮る」。今年はこれを実行する。
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