2020年7月21日火曜日

新・洪水ハザードマップ

 いわき市北部の夏井川水系と、南部の鮫川水系の洪水ハザードマップが改訂された。夏井川水系は支流の仁井田川、新川、好間川の3河川を含む。きのう(7月20日)、わが行政区に関係する「夏井川水系 平地区東部」版=写真=を、隣組を通じて全戸に配った。
 水防法改正に伴い、県が各河川の洪水浸水想定区域を見直したことから、いわき市ではハザードマップの改訂作業を進めてきた。蛭田川、藤原川(矢田川を含む)、滑津川、大久川についても、今後、県の見直しを受けて改訂するという。

 改訂のポイントは、想定最大規模降雨量を「70年に一度」から「1000年に一度」にしたことだ。その結果、48時間の総雨量は、夏井川流域で今までの327ミリから1.6倍の533.9ミリに、同じく鮫川流域で360ミリから1.5倍の547.2ミリに改められた、

 福島地方気象台によると、去年(2019年)秋の台風19号では、10月11日午後3時から13日午前6時までの39時間に、夏井川水系の川前で244.0ミリ、平で230.5ミリの雨が降った。「70年に一度」の想定内であっても、平・平窪地区を中心に甚大な被害が出た。

 新・ハザードマップはそれをはるかに上回る降雨量を想定している。「1000年洪水」がどんなものか、まるで想像がつかない。が、低気圧や台風が凶暴化しつつある現在、過去の経験・データは役に立たない、むしろそれにしがみついていると避難が遅れる――それだけはわかる。

 新・ハザードマップを全戸に配布するのに先立ち、6月下旬に平・神谷地区の区長8人を集めて説明会が開かれた。そのときの質疑応答を踏まえていうと、神谷地区は浸水深があらかた3~10メートル未満になり、戸建て住宅は2階まで浸水する。これまでは「垂直避難」(要するに、家で雨風をやり過ごす)も有効だったが、これからはそれさえ危ない、という評価に変わった。

 さらには、堤防決壊に伴う「氾濫(はんらん)流」や河岸浸食の発生が想定されることから、堤防のそばに「家屋等氾濫想定区域」が表示された地区もある。建物そのものが流される危険性があるということだ。

 いちおう、山際の平六小とその先の市北部清掃センターに併設されている北部憩いの家が近場の避難所、その先の高台にある介護老人福祉施設「ひまわり荘」が福祉避難所としては避難可能な施設だが、小学校は校庭が水没するために、車による避難はできない。

 災害弱者といわれる地域の高齢者や体の不自由な人をどうするか、という課題はあるものの、基本は「みずからの命はみずから守る」「いっときも早く安全な親類・知人・友人宅に避難する」ことだという。

逃げ遅れて2階まで水没し、かろうじて屋根にはい上がったときの光景を想像してみる。茶色く濁った“海”のなかに4階建ての中層住宅が二つ、三つ、“箱舟”のように浮かんでいるだけ――。

 マップには「大雨(台風)対応マイ・タイムライン」(自分の行動の確認など)「情報収集」(避難するタイミングの目安など)の欄も設けられている。それを参考にして、時折、シミュレーション(模擬訓練)や自習をするしかないか。

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