日本野鳥の会いわき支部の元事務局長・峠順治さんから、支部報「かもめ」第159号(2023年7月1日発行)と、峠さんがアカミミガメに関してまとめたレポートのコピーをいただいた=写真。
支部報に、いわき地域学會の仲間でもある鳥海陽太郎さんが「ミナミメガダカ」について書いている。
メダカはメダカではないのか。ミナミメダカって? まずはミナミメダカの情報を探る。アクアマリンふくしま(小名浜)に「BIOBIOかっぱの里」がある。そこにミナミメダカが展示されている。
解説によると、日本国内に分布するメダカは長い間1種類とされていた。しかし、遺伝子レベルの研究が進み、形態の違いから「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」の2種類に分けられた。福島県内には両種が分布する。
アクアマリンは小名浜にある。で、BIOBIOかっぱの里ではいわきのメダカのミナミメダカを展示している、というわけだ。
鳥海さんは、ミナミメダカが環境省では絶滅危惧Ⅱ類、ふくしまレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類にランクされている希少種であることを紹介しながら憂慮する。
「いわきの水辺は、卵胎生熱帯メダカ『グッピー』が温泉地の水域に拡散した経歴のある土地柄なので、いわきの『ミナミメダカ』の遺伝子汚染はすでに始まっている?」
峠さんは、鳥海さんの文章に触発されて、アカミミガメによる在来生物への影響について振り返った。
2001年6月に発行された支部報「かもめ」第48号に、定例探鳥会の報告が載る。そのとき、夏井川河口に隣接する後背湿地に体長20センチと30センチのミシシッピーアカミミガメがいた。
福島県は今年(2023年)3月、県内に生息している外来種をまとめて公表した。「ふくしまブルーリスト」という。
リストに掲載された動植物は641種にのぼる。そのうち、自然環境への影響が大きい「県侵略的外来種」は101種だ。
この101種は影響度の高い順から、①緊急対策外来種18種②重点対策外来種49種③その他の総合対策外来種21種④産業管理外来種13種――に分けられる。ミシシッピーアカミミガメは緊急対策外来種に入る。
2001年の時点で、峠さんらは2匹のアカミミガメは雌雄と思われる、家庭でペットとして飼われていた個体が逃げ出したのか、飼育に飽きるか手に負えなくなって放されたものだろうとしつつ、こう警鐘を鳴らした。
「この貪欲な肉食性の外来のカメが、いわきの自然を豊かに残すあぶれ沼で繁殖しようとしているのは、由々しき問題である。早急な対策が望まれる」
それを起点に、白水阿弥陀堂の池のハスとアカミミガメの関係、新川で特定外来生物のカミツキガメが捕獲されたことなどを紹介した。
カミツキガメに関する拙ブログを一部引用していることから、こちらにもコピーが届いたというわけだ。身の回りには植物も含めて外来生物があふれている――そのことをあらためて思った。
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