2023年7月5日水曜日

梅雨の晴れ間

                      
 今年(2023年)の梅雨の特徴は、雨も降るが酷暑にもなる――そんなところだろうか。なかでも、日曜日の天気には泣かされることが多い。

 夏井川渓谷にある隠居へ行っても、雨では土いじりができない。酷暑だと予定していた作業は一つか二つしかできない。

 でも、とにかく日曜日には隠居へ出かける。それで、道中の出来事や変化がわかる。「定点」ならぬ「定線観測」だ。

 7月2日の日曜日は好天に恵まれた。朝8時前には家を出た。いつものように常磐線の踏切を渡り、平六小の前を左折すると、道路に軽トラが何台も止まり、人が草刈り機を持って学校の裏の方へ向かっていた。

 さらに行くと、やはり道端に軽トラが止まり、山裾で人が草を刈っていた。平窪でも同じように人が出ていた。

磐城小川江筋の草刈りだった。8年前に草刈りの様子をブログに書いている。それを思い出した。以下はその要約。

 ――7月最初の日曜日は磐城小川江筋の草刈り日と決まっているのだろうか。5日の朝9時すぎ、わが家から夏井川渓谷の隠居へ向かうため、江筋沿いの細道をたどると、至る所で草刈りが行われていた。水がせき止められた水路に入って山岸の草刈りをしている人たちもいた。

 磐城小川江筋は夏井川左岸の下流域を潤す農業用水路だ。今から350年ほど前の江戸時代前期に築造された。

小川町の三島地内に、夏井川のカーブを利用した多段式、木工沈床の斜め堰がある。そこから山岸に沿って終点の四倉まで全長約30キロにわたって水が引かれ、広大な沿岸の水田を潤す。水道水にも利用されている。

昔のブログを読むと、同じころ、同じように人が出て草刈りをしている。街で暮らしている人にはなかなか想像が及ばないことだが、郊外の水田地帯では畦や土手の草刈りが欠かせない。

草むらは農作物に害を及ぼす虫のすみかになる。8月は月遅れ盆。先祖の霊が帰ってくる前にきれいにしておこうという意味合いもあるのだろう――。

 小川江筋の一斉草刈りを遠目に、上平窪で幹線道路に出る。やがて、平地から一気に山間部に入る小川町・高崎あたり、渓谷の入り口に近づくと、道路の路側帯が見えないほど草が茂っていた。

 今年はどうも草の繁茂が早い。渓谷では毎年、夏に業者が道の草刈りを行う。こちらの草刈りもまた、時期が固定されているのかどうか。

道の両側の草が散髪されると、ドライバーは道幅が広がって安心した気分になるのだが、ときに対向車両があると、窓に草が当たる。今年はそれを経験した。

渓谷ではそんな草むらでオカトラノオが咲いていた=写真。これはこれで次の季節が巡ってきたサインでもある。間もなく梅雨が明けそうな気もするのだが、どうだろう。

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