日曜日に夏井川渓谷の隠居へ出かける。この時期は行くたびに庭の草がのびている。梅雨どきの緑の繁殖はすさまじい。
1カ月前、後輩が今年(2023年)最初の草刈りをしてくれた。その後、雨と太陽の光を受けて、庭はたちまち緑で覆われた。
庭の一角に菜園がある。若いときは6畳の部屋二つ分くらいのスペースを“開墾”し、いろんな野菜を栽培した。
今は、三春ネギに絞って栽培している。ネギだけは採種~播種~定植~収穫と、一連のサイクルを切らさない。
6月の終わりに、遅まきながら苗を定植した。あとは時期を見て追肥と土寄せを何回か繰り返せばいい。
草はむろん、ネギ畑にも生える。まずは日曜日ごとにうねの草を引っこ抜く。同時に、周りの草もできるだけ広くむしり取る。
草に混じって辛み大根がある。ジャガイモもある。こちらは勝手に根付いて芽を出した「ふっつぇ野菜」だ。
辛み大根は知人から種をもらって栽培を始めた。最初は手をかけすぎて細い大根しかできなかった。
いくつかそのままにしておくと、越冬して花が咲き、やがて種の入ったさやができた。これを回収し、月遅れ盆の前に割ると、内部は“発泡スチロール”のようなもので覆われ、その中に直径1ミリ余の赤玉(種)が眠っていた。これを100粒ほど採って点まきにした。
そのとき、うね跡に双葉を出していた辛み大根があった。落ちたさや(こぼれ種)から自然に発芽したのだ。
以来、辛み大根は種まきなどせずに、「ふっつぇ」が出てくるのにまかせることにした。また、不耕起栽培にすると、狙い通りにずんぐりむっくりした辛み大根ができた。
つまり、なにもしない。ただただ芽が育ち、根が肥大するように、周囲の草を引き抜いて日光を当て、風通しをよくする。それだけ。
今年も草を引き抜くついでに、枯れて黄土色に変わったさやをごみ袋に回収した=写真上1。落ちたさやはそのままにしておいた。
小さいものは「みそかんぷら」、やや大きいものは三春ネギとの味噌汁にする。親指より少し大きいものが「みそかんぷら」になって出てきた。うまかった。やはり、年に一度はこれを食べたくなる。
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