2023年7月27日木曜日

十六ささげのよごし

                     
 ありがたいことに、あちこちから季節の「お福分け」が届く。いわき市内だけでなく、双葉郡楢葉町の知人も自家栽培野菜を持って来る。昔野菜の「十六ささげ」と「小白井きゅうり」は、カミサンが関係している施設からのおみやげ。

 いわき地方の月遅れ盆に、新盆の家を回って慰霊する「じゃんがら念仏踊り」がある。その歌に「盆でば米のめし おつけでば茄子(なす)汁 十六ささげのよごしはどうだい……」というのがある。「よごし」はつまり、「ごまよごし」(ごま和え)。

 さっそく「十六ささげのよごし」=写真=が出てきた。ささげは、とにかくやわらかい。ごまは、カミサンがちょっといいものを買っておいた。それもあって、いちだんと香りが高い。

小白井きゅうりは、皮をむいてどぶ漬け(関西では糠漬けのことをいうようだが、福島県では塩水に漬けることをいう)にするのが一般的だ。が、すぐ食べたいので、皮をむいて小口切りにしてもみ漬けにしたものが出た。これも水分がたっぷりで口に合う。

 前に小白井きゅうりを糠漬けにしたことがある。どうもうまくいかなかったので、手に入るともみ漬けにする。

 楢葉のナスとピーマンは炒めものになって出てきた。これも採りたてなのでやわらかい。やわらかいことがおいしい要素の一つだと知る。

 トウモロコシも1本届いた。トウモロコシにはいろんな品種がある。どんなタイプなのかはわからないが、ゆでたのを三つに切って、いったん床の間に供えてから、夫婦と義弟の3人で食べた。小粒で甘かった。

 以上は「食べる人」としての話。夏の糠漬け、冬の白菜漬けは私がつくる。で、キュウリが届くと、すぐ糠床に入れる。そうしないと、キュウリのおいしさの基である水分が蒸発してしまうからだ。

 今の時期は半日で漬かる。3人だけなので消費量は限られる。まとめて漬けたときには、パックに入れて冷蔵庫で保管する。しかし、保管が長引くと味が落ちる。

 そのワケは……。糠床は毎朝、私が起きるとすぐかき回す。そうしないと、表面に白く産膜酵母が張る。ところが、糠床の状態によっては、かすかなシンナー臭がしたり、キュウリがそれに染まったりして後味が悪くなるときがある。

 それと同じ原理だろうか。つまり、キュウリに糠味噌が付いたままパックに入れていたので、保管が長引くにつれて糠味噌が腐敗し、味が劣化した?

 糠床そのものだったら、糠と食塩を加える、かき混ぜる回数を増やす、唐辛子を投入する、といったことで、なんとかしのぐことができる。

 パックで保管するだけなら、水で糠味噌を洗い流す――。残った2本をそうして保管したら、少し味の劣化が止まった感じがする。

 糠漬けは保存食ではない。今度まとめて漬けたときには、糠味噌をきれいに洗い流してパックに入れるとするか。

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