2023年7月1日土曜日

古代エジプト美術館展

                                
 6月27日は午前と午後、街で行政がらみの会議があった。家に帰って昼食をとることもできたが、そうするとカミサンの手をわずらわせることになる。「昼食は街ですませる」というと、とても喜ばれた。

 午前の会議が終わったのは11時過ぎ。午後の会議が始まるのは1時半、場所はいわき市立文化センターだ。

向かいにある市立美術館のレストランで昼食をとっても、開催中の「古代エジプト美術館展」を見る時間はある。

 そう考えてレストランに向かうと、前日の休館日と合わせて連休だった。しかたがない。古代エジプトの美術品を見たあと、近くのコンビニでサンドイッチを買い、午前中の会議で出たお茶(ペットボトル)で昼食をすませた。

 「古代エジプト美術館展」は、「美術展」ではなく「美術館展」である。解説シート=写真=によると、2009年7月、東京・渋谷に「古代エジプト美術館 渋谷」がオープンした。

所蔵家の菊川匡さんが、古代エジプトの歴史・文化・芸術を楽しみながら学ぶ機会を提供することを目的に設立した、という。その収蔵品展でもある。

大きいのでは木棺がある。ミイラマスクや神殿の柱もある。小さいものでは指輪などの装身具も。1点を除いて「撮影OK」のために、多くの観覧者がスマホを手にしていた。

 ミイラマスクは豪華絢爛だった。その色とデザインに引かれた。トキやハヤブサと融合したような神像にも興味がわいた。

 古代文明発祥の地である。その繁栄の軸になったのがナイル川だ。それが脳裏に浮かぶ。というのは、かつてNHKだったかでナイル川と不死鳥(フェニックス)の関係を取り上げていたからだ。

以来、ナイル川の定期的な氾濫が肥沃な土壌をもたらし、ナイル川下流の農業と人々の暮らしを支えた。

いわば死と再生の両面から、人々は氾濫を受容した。その象徴が朝焼けとともにナイル川に現れるサギたちだった。いつのころからか、フェニックスはアオサギをモデルにしたものになったという。

 若いときから、身近な夏井川を介して「川と人間」について考えてきた。その延長で川の番組を見たり、本を読んだりした。

 ナイル川といえばフェニックス、つまりアオサギを思い浮かべるようになったのはそのためだ。

 トキやハヤブサと融合した神像をじかに見ながら、心はフェニックスを追い求めていた。なんというか、人間と自然の原初的な交感が色濃く漂っている。その気配を感じるだけでも楽しい。見飽きない。また見に行こう、という気持ちになる展覧会だった。

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