2024年9月25日水曜日

倒木停電

                     
   もう10日ほど前の話だ。敬老の日(9月16日)の朝、夏井川渓谷に住む知人から電話がかかってきた。「倒木の影響で停電になった」。ということは、わが隠居もそうだな。

 知人の家は、私らが日曜日に出かける隠居の近くにある。戸数10戸ほどの小集落で、住民とは私が通い始めた30年前から隣組の付き合いをしている。

 渓谷のナラ枯れが目立ち始めて以来、落枝・倒木の危険が増えた、いつかは暮らしに影響が出るのでは――知人らと停電などの心配をしていたのだった。

電話を受けた時点では、場所はよくわからなかった。が、木が折れて落下し、道路沿いの電線を直撃したことはまちがいない。

東北電力のホームページですぐ、「停電情報」をチェックする。朝の9時半時点で、いわき市小川町上小川約100戸・同町塩田10戸未満で停電、とあった。停電が発生したのは午前6時5分ごろだった。

上小川といっても広い。が、塩田と系統が同じならエリアは限られる。知人の情報も加味すると夏井川渓谷だ。

県道を利用して平地から渓谷に入ると、ほどなく東北電力の夏井川第一発電所(塩田)を通過する。

発電所は夏井川の対岸にあって、木々で遮られているので県道からは見えない。谷から電線が川をまたぎ、道路の電柱を経由して江田方面へと伸びる。

その発電所沿い、上小川字竹ノ渡戸地内で県道が急に狭くなる。道路の補修工事が中断したまま、カラーコーンが置かれている。

山側に電線と電話線が架かる。山側はそそり立つ崖だ。その崖に生えている大木がナラ枯れになった。

近い将来、間違いなく落枝・倒木が起きる。下を通る車が危険なだけでなく、渓谷に点在する小集落のライフラインが断たれる心配がある。

地元で陳情するとほどなく、ナラ枯れ木が伐採された。そのてんまつは前にブログに書いた。

9月の第二日曜日、竹ノ渡戸を通ると、通行止めを予告する看板があった=写真。日時は9月12~13日の昼間、場所は第一発電所付近、内容は舗装補修工事だ。

カラーコーンが置かれているところは、ワイヤの張られた山側から水がしみ出し、アスファルト路面がでこぼこになっている。

その補修かと思ったが、15日に通ったときにはよくわからなかった。どこの舗装を直したのだろう。

すっきりしない思いでいたところへ届いた倒木停電だ。その後も、電力のホームページを繰り返しチェックした。

正午前には上小川の停電は約10戸に減り、午後1時過ぎには停電理由が「樹木接触・倒木の影響(風雨)」と表示されていた、3時半にチェックしたときには、福島県の停電は「なし」に変わった。

 後日、渓谷の別の小集落に住む友人が来たので、敬老の日の停電の様子を聞いた。10時前には電気がついたという。翌日の新聞には、この停電事故は載らなかった。

次の日曜日(秋分の日)、隠居へ行ったついでに知人の家を訪ねた。想像以上に危機的な状況だったという(つづく)。

0 件のコメント: