2024年9月27日金曜日

やっとヒガンバナが

                      
   日曜日に秋分の日が重なった9月22日――。夏井川渓谷の隠居へ行く途中、平・上平窪の田んぼ道で、今年(2024年)初めてヒガンバナの花を見た=写真。

いわきの平地のヒガンバナは、天候不順で冷夏になると、9月に入るか入らないうちに咲き出す。

ところが、今年は9月も暑い日が続き、秋はいつくるのやら、という異常気象になった。それは日々の気象データからも読み取れる。

ローカルテレビは、福島県内各地の気温を伝えるとき、いわきに関しては「いわき小名浜」と、市名のほかに地域名を付け加える。

沿岸部の小名浜に測候所があった。無人化されたあとは特別地域気象観測所として、引き続き気象を観測している。それがいわきの数値になる。

いわきの多くの市民は、沿岸部ではなく内陸部に住む。当然、内陸部の気温は小名浜のそれよりは高い。

で、「そんなに低いの?」という声を受けて(たぶん)、いつからか「いわき小名浜の気温」と、「小名浜」をプラスしてアナウンスするようになった。

その小名浜でさえ、今年の夏は異常な暑さが続いた。9月だけに絞っても、最高気温が30度以上の真夏日は26日現在で10日もあった。

内陸(平地)の気温を代表する山田町は同日も含めて16日間だ。毎日のようにげんなりする暑さが続いた。

その意味では「長い夏」だった。田んぼのあぜ道は(わが隠居の庭もそうだが)、草を刈ってもすぐ緑に覆われる。

私が街からの帰りによく利用する夏井川の堤防の、夏から秋の移り行きはこんな感じだ。

堤防近くの農家の人が時々、土手の草刈りをする。きれいに刈り上げられた土手に、やがて野生化したニラの花が咲き、スルボが咲く。

9月に入るとヒガンバナが――。頭では時折、花の記憶がよみがえるのだが、現実にはヒガンバナの花茎に目がいくことはまずない。

赤い火花のような花が咲いて初めて、きれいに刈り上げられた土手にヒガンバナの花茎が伸びていることに気づく。

すると、葉をもたない真っ赤な花のかたまりが点々と、延々と緑の土手に燃え広がる。

上平窪でヒガンバナの最初の花を見た翌々日、街へ行った帰りに夏井川の堤防に出た。緑に覆われていたところも、草が刈られたところも、赤い花が浮き出るように咲いていた。

いよいよ秋である。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、雨の彼岸の中日を過ぎると、急に涼しくなった。

 25日は、半そででは肌寒いので長そでに腕を通した。半ズボンにTシャツはもう終わり。そうあってほしいくらいに、今夏は秋も含めて暑かった。

 雷注意報も23、24日は発表されなかった。雷雨はしばらく来ないかと思っていたら、25日の夕方になって小雨が降り、雷鳴が響いた。福島地方気象台は午後3時半前、雷注意報を発表した。

夕暮れのヒガンバナが一瞬、稲光に照らされる光景が頭をよぎったが……。とにもかくにも酷暑はもう勘弁してほしい。

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