師走に入ると同時に、三和町のふれあい市場へ出かけて白菜を2玉買った。最初の白菜漬けは三和産で――。そう決めているのは、三和町がいわき市のなかでも山地に位置しているからだ。
火曜日(12月3日)の朝、白菜をそれぞれ八つに割って天日に干した。漬け込んだのは夕方。
台所を片付けて甕を出し、ユズの皮をむいて細かく刻む。唐辛子も同じように刻む。食塩を用意する。
あとは昆布だけ。ところが、あるべき場所にそれがない。切れていた。急きょ、最寄りのスーパーへ車を走らせて買って来る。そのあと、軒下から白菜を取り込み、漬け込み作業を始めた。
甕のなかで白菜を持ち、葉の1枚ずつに塩を振り、底が見えなくなったところで、ユズやミカンの皮、トウガラシ、昆布を加える。
そのあと甕を90度回転させて同じことを繰り返す。十字に積み上げること3回、白菜が4段になったところでこの冬最初の漬け込みが終わった。
その間わずか40分。白菜の上に押しぶたと重しを載せてひとまず、冬の最初の準備を終えたことに安堵する。
重しは1個6キロ。これを二つ重ねる。翌朝には早くも水が上がってきたので、夕方には重しを1個はずす。
それから2日後の夕方、試食を兼ねて一切れを取り出す。この冬最初の白菜漬けを食卓に出すと――。
株元が甘くてやわらかい。塩味もまあまあだ。押しぶたからはみ出していた葉先は、ややしんなり感が足りない。が、やがてこれもやわらかくなるだろう。最初の白菜は三和産で――は、やはり正解だった。
糠床はまだ冬眠させてはいない。毎朝、かき回している。お福分けのハヤトウリがある。これを四つに割って漬け続けている。
ハヤトウリの糠漬けと白菜漬けを交互に、あるいは同時に食べる。甕の白菜は日を追って少なくなるのだが、昔のような減り方ではない。
昔は一日一切れとして半月、つまり月に2回は白菜を漬けなければならなかったが、このごろはそれが3週間サイクルになってきた。
それと、産膜酵母の問題がある。時間がたつと、甕にしみ出た水分の表面に白い膜が張る。
塩分が足りなかったり、室温が高かったりするとそうなるらしい。私の白菜漬けはたぶんその両方だ。
白菜自身も乳酸発酵が進んで酸味が強くなる。日がたったら、残りをタッパーに移して冷蔵庫にしまい、酸味を抑えながら食べる、ということも頭に入れておかないといけない。
というわけで、初回はなんとか乗り切れそうだ。が、頭は次の準備に入っている。かなり冷え込んだから、もう平地の白菜でもいいのでは。そんなことをカミサンがいう。そうかもしれない。
今度は平地の直売所で買うとするか。そう決めていたところへ、三和の白菜を買ってくるよ、と知人から声がかかった。
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