12月15日の日曜日は朝、抜けるような青空だった。風もない。放射冷却現象が起きたにちがいない。
まずは平地のわが家の庭の様子をチェックする。水を張った鉢は落ち葉に覆われていて、凍っているかどうかはわからない。
が、外の流しに置いてある小鍋の水の表面がかすかに凍っていた。色は透明。この冬の初氷である。車のフロントガラスも白く曇っていた。
夏井川渓谷の隠居はどうか。朝9時半に着くと、朝日はもう尾根を離れて庭を照らしていた。
下の庭は手前の3本の2が霜をかぶって白く、残り3分の1がカエデの赤に染まっていた=写真上1。尾根のてっぺんの少し下から朝日が顔を出したことがわかる。
朝日はまず3分の1の方に当たり、やがて尾根の上に出て、庭全体に光が当たるようになったばかりだった。
霜が降りたとなれば、大根の葉である。上の庭に「ふっつぇ」(自生)の辛み大根がある。葉にいっぱい霜が降りていた=写真上2。
普通の大根を栽培していたときのことだ。霜が降りると、ふだんは宙に浮いている大根の葉が地面にひれ伏す。
その大根の葉が朝日に照らされ、霜が解けたあと、ピクン、ピクンと立ち上がる。うねのあちこちでピクン、ピクンが繰り返される。この葉っぱのダンスを見るのが冬の楽しみだった。
辛み大根の葉も、普通の大根のようには立たないが、霜をかぶってペタッとなっていた。地味に、静かにダンスを踊るのだろう。
庭を歩き出してすぐ、足元の感覚が違うことにも気づいた。「凍っているな」。そう思わせる硬さだ。
クッションが効いているというわけではない。が、ふだんは体の重さが地面に吸収されるような感覚になる。ところが、15日は違っていた。靴がはね返されるような感じだった。
生ごみを埋められるかな。スコップを地面に差し込もうとすると、はね返された。ではと、スコップに足をかけて踏み込む。それでやっと土を掘り起こすことができた。
土の表面から内部まで凍りつく、というほどではまだない。が、1月の厳寒期へ向かって、徐々に凍土の深さが増していく。生ごみを埋めるのも春までは中止――霜と氷がそう告げている。
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